News | 2000年11月10日 09:50 PM 更新 |
マイクロソフトが次期Windowsであるコードネーム「Whistler」の初回ベータ版の配布を開始した。まだ,英語版だけで,しかもWebサイトでの無差別配布ではないが,ぼくは,マイクロソフトの開発者向けプログラムである「msdn」の会員なので,そのサブスクライバーダウンロードサイトから入手ができた。蛇足ながら,この会員になっていれば,このサイトで,すべてのOSをダウンロードすることができる。なつかしのMS-DOSもあれば,Windows 95だってあるのだ。しかも日本語版もきちんとそろっている。
さて,Whistlerだが,そのステータスは“ベータ1”で,
Windows Whistler Advanced Server(IA64)
Windows Whistler Advanced Server(x86)
Windows Whistler Professional(IA64)
Windows Whistler Professional(x86)
Windows Whistler Personal(x86)
そんなわけで,さっきダウンロードが終わったばかりで,まだインストールしてみる間もなく,この原稿のしめ切りの時間になってしまった。詳細については,後日じっくりと評価した上でレポートしたいと思う。
こうして着々とコンシューマー向けのWindowsが2000ベースのものになっていこうとしている。これは大歓迎だ。
Windows 2000の出荷が開始されたのは今年の2月。既に半年以上が経過しているけれど,コンシューマー市場では,なかなか普及が進まない。それも当たり前で,やっぱり豪華ソフトをテンコモリ状態にプリインストールしたパソコンがWindows 2000モデルとして存在していないからだ。
唯一,ソニーが,VAIOの上位モデルにWindows 2000をプリインストールして出荷している。ぼくも,その1台を購入したが,デフォルトでかなりたくさんのユーティリティが常駐し,さらに,AVを中心に扱わせようというような製品では,リソース不足が深刻そうだ。でも,Windows 2000なら,それをうまく回避できる。
とはいうものの,ぼくの購入した「PCG-SR9」の標準メモリ容量は64Mバイトで,リソースは余っても物理メモリが足りなかった。あまりのスワップの多さに,増設メモリを入手するまでの1週間は,ノートパソコンなのに,外に持ち出すことをしなかったくらいだ。
そのVAIOが,「PCG-SR9C/P」と「PCG-Z505CR/P」として,Windows Meモデルを用意するという(別記事を参照)。これらのオリジナルモデルは「Windows 2000プリインストール,Office 2000 Personalなし」という構成だったが,要望が高かったために,「Windows Meプリインストール,Office 2000 Personal付き」という構成のものも用意されることになったという。
Officeはともかくとしても,Windows 2000よりWindows Meのほうが本当にいいのかなあ? と思う。本当に何も知らないユーザーだったら,そこにインストールされているOSがMeなのか2000なのか,気がつかないくらいの違いなのにだ。古くからのユーザーなら,Meでしかサポートされないようなデバイスをたくさん持っているかもしれないからMeを選ばざるを得ない,というのは分かるのだが,初めてのユーザーには,Windows 2000版を薦めたいなと,本当は思う。ないものは仕方がないけれど,あるんだから。パソコンショップの売り場では,右も左も分からないようなユーザーに対して,どちらを勧めているんだろうか。
まあ,こんな苦言をつぶやかなければならないのも,Wihistler Personalがデビューするまでだ。さて,マイクロソフトは,今度こそ,本当にカーネルの一本化を果たせるんだろうか。
関連記事
ソニースタイル,黒塗りのバイオノートSRなどオリジナルモデルを発表──SRと505最上位機種でMeモデルも
Windows 2000に続く「Whistler」と「Blackcomb」
Microsoft,Whistlerの完成目標を4月と設定
変わるWindowsの外観――Whistlerのα版から
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.