News 2000年11月13日 11:02 PM 更新

マイクロソフト,DirectX8を配布開始

ゲーム/マルチメディア用APIのDirectXに新バージョンが登場した。今すぐにその効果が現われるわけではないが,未来のゲーム環境をちょっぴり体験してみてはいかが?

 マイクロソフトは,11月11日,「DirectX8」の配布を開始した。DirectXとはゲームやマルチメディア用のAPI群で,Windows上でのゲーム品質を向上させ,グラフィックカードなどハードウェアの違いを吸収して互換性を向上させる目的を持っている。

 Direct3D,DirectDraw,DirectPlay,DirectMusic,DirectShowなど数々のAPI群の集合体であるDirectXは,ほぼ1年に1回,新バージョンがリリースされる。昨年のDirectX7では,ジオメトリ演算処理をグラフィックチップ側で行う「ハードウェアT&L」がサポートされるなどの機能追加が行われた。Windows Me/2000には標準でDirectX7が導入されており,DirectX8が初めてのアップデートとなる。

 新しいDirectXを利用するためには,「DirectX8ランタイム」「DirectX8対応グラフィックドライバ」「DirectX8対応アプリケーション」の3つが必要となる。現在のDirectX7に対応したアプリケーションでは,DirectX8のAPIは利用されないので注意して欲しい。

 今回配布されたのは,DirectX8ランタイム,および「DirectX8 SDK」だ。SDK(Software Development Kit)はDirectX8対応アプリケーションの開発に利用するもの。ただし開発者でなくても,ダウンロードしてインストールすれば,新しいDirectXの機能を体験できる。

 DirectX8は,Windows 95/98/Me/2000の各種OSに対応している。「シャドウバッファ」などをサポートし,パフォーマンスを改善したDirectX8.1も,2001年第2四半期に登場を予定している。このDirectX8.1は,次世代コンシューマー用Windows,「Whistler」に搭載が予定されている。

 以下,DirectX8に含まれるDirect3D関係のデモを紹介しよう。


DirectX8の目玉の1つ,Direct3Dの「頂点シェーダー」。ジオメトリ処理を行う頂点パイプラインをプログラム可能にしたものだ。登場間近と見られるnVIDIAの次世代グラフィックチップでサポートされる


こちらも目玉である「パーピクセルシェーディング」。ピクセル処理のパイプラインがプログラマブルになるとともに,より精緻なシェーディングが可能になる。ハードウェアでの処理が前提だが,まだ対応カードは登場していない


おなじみの「バンプアース」。テクスチャーを貼った上に,さらに「バンプマップ」「環境マップ」を貼り付けている。これら3枚の画像はどれもリファレンスラスタライザでレンダリングしたもの

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関連リンク
▼ Microsoft DirectX Developer Center
▼ DirectX8ダウンロードページ
▼ マイクロソフト

[斎藤健二, ITmedia]

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