News 2000年11月14日 08:46 PM 更新

ニッチでコアな情報を提供するインプレスTVが開局

インプレスのインターネット放送局「impressTV」が15日正午に開局する。塚本社長は,「ストリーミング配信のビジネスモデルを構築する」と意気込む。

 インプレスは11月15日正午に,PCや音楽情報をストリーミング配信するインターネット放送局「インプレスTV」(impress.tv)を開局する。コアな読者が多いことでも知られる「Impress Watch」を運営するインプレスでは,そのテイストを継承して「地上波ではできないような深い情報を提供する」(塚本慶一郎社長)方針だ。

 インプレスはサービス開始に向け,金融情報の提供についてインフォストックドットコムと提携したほか,オルカビジョン,時事通信社,ならびにニッポン放送とコンテンツの配信で契約を結んでいる。当初は,「ITチャンネル」「ME(Music&Entertainment)チャンネル」「FINANCEチャンネル」「ケイコとマナブチャンネル」の4チャンネルが用意される。

 また,ITチャンネルについてはほとんど自社で番組を制作するものの,インプレスTVはあくまで番組のポータルサイトという位置付けにあり,今後は,パートナーを拡大することでチャンネルを増やしていく計画だ。また,インフラ面では,ストリーミングの老舗であるJ-ストリームと協力している。


ImpressTV Viewer
 番組を見るにはReal PlayerまたはWindows Media Playerが必要だが,インタフェース部分はインプレス独自の「ImpressTV Viewer」。画面下の情報エリアには,番組と同期したテキストを表示することが可能だ。エンコード帯域は,広帯域向けの300KbpsとダイアルアップやISDN環境向けの20K〜80Kbpsの2種類。

 ストリーミング放送では,好きな時に好きな番組を見ることのできるオンデマンドが主流になっている。だが,インプレスTVでは「インターネットでリアルタイムの番組を見るということを習慣にしたい」(塚本社長)という狙いから,リアルタイムとオンデマンドの2本柱で番組を放映する予定で,リアルタイム放送は1日あたり50時間分におよぶという。

インターネットTVをビジネスに

 インプレスTVの主な収益源は,既存TV局と同様にスポンサーシップが占める。インプレスTVでは,3年後に10億円の売り上げを見込んでいるが,その50%を広告収入に依存する。チャンネル丸ごとスポンサードする「チャンネルスポンサー」と,個別の番組に広告を出稿する「番組スポンサー」という2つの形態があり,ITチャンネルではマイクロソフト,MEチャンネルではヤマハがメインスポンサーになっている。料金は月額500万円程度。そのほか,インフォマーシャル番組での物販や,コンテンツ課金(FINANCEチャンネルで予定)などが各20%程度となる。

 塚本社長は,「広帯域常時接続環境があたり前になれば,インターネットTVは大きな普及が見込める。将来的には,PCだけでなく,デジタルTVや携帯電話,PDA向けにもコンテンツを配信する」と,PC向けの配信はあくまで叩き台にすぎないと強調。実験的にやっているそのほかのストリーミング放送とは異なり,ビジネスとして成功させようという意気込みを感じさせる。

関連リンク
▼ インプレスTV(テスト公開中。15日正午より正式オープン)

[中村琢磨, ITmedia]

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