News 2000年11月14日 10:40 PM 更新

ソニー,ホームサーバをCOMDEXに参考出展

COMDEXでソニーは,2種類のホームサーバを参考出展した。ブロードバンド時代に向け,ホームネットワーク構築の動きも本格化してきたようだ。

 11月13日に開幕した「COMDEX/Fall 2000」で,ソニーは2種類のホームサーバを参考出展した。どちらも内蔵HDDにコンテンツをダウンロードして蓄積できるなど,家庭内ネットワークの中核として機能する。コンシューマー向けデジタル製品で快走を続けるソニーだが,到来間近なブロードバンド時代をにらみ,いよいよホームネットワークの構築に焦点が移りつつあるようだ。

 まず1つは「Broadband Gate」。広帯域インフラを通じて配信される“デジタルハイビジョン”コンテンツを蓄積する家庭内サーバだ。いかにブロードバンドインターネットといえども,「数十Mbps程度の帯域ではリアルタイムストリーミングは現実的ではない」(ソニー)。そこで,Broadband Gateでは,コンテンツをサーバ内のHDDにいったんダウンロードし,HDTVでムービーを楽しむ際はBroadband Gateに保存されたファイルにアクセスする方式を採用した。


「Broadband Gate」

 単なるキャッシュサーバに終わらせないところがソニーらしく,IPベースのTV電話機能も持たせている。COMDEX会場で行なわれたデモでは,VDSLを想定したブロードバンド接続を行ない,HDTV対応のプラズマディスプレイにストリーミングコンテンツを表示していた。HDTVとBroadband Gateはイーサネットで接続する。このほか,背面にはi.LINK(IEEE 1394端子)や光ファイバー用端子など各種インタフェースを多数備えている。


HD対応のプラズマディスプレイにコンテンツを表示させたところ。操作はマウスのような形状のリモコンで行なう。TV上部にTV電話用のカメラが取り付けられている

 ソニーによると,「まだ研究所レベルのもので,製品化は全く未定」とのことで,「各種のインタフェースもとりあえず何でもつながるように装備しておいた。i.LINKでDVカムコーダーを接続し,ビデオ編集などもできるかもしれない」。しかし本体デザインはソニーテイストを感じさせる本格的なもので,製品化を前提としているのは間違いなさそうだ。

 もう1つの参考出展は,無線LANの基地局を大型化したようなホームサーバだ。標準的なIEEE 802.11bをサポートし,有線イーサネットでCATV/DSLモデムなどに接続する。無線LAN機能に加え,i.LINK端子やWeb/メールサーバの機能も備えた。


無線LAN機能を備えたホームサーバのプロトタイプ

 こちらは「2001年の夏をめど」に商品化される予定という。価格は「無線LANの基地局の価格に,HDDのリテール価格を足した程度」という。各社が掲げるホームネットワークのイメージ図に必ず登場するホームサーバだが,形になったものはあまり姿を見せていなかった。ソニーはバイオやデジタルTV,オーディオ機器と音楽配信など,次世代インターネットへの道具立てを早々にラインアップしており,ついにこれらを有機的に結ぶ段階に入ったようだ。

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[小林伸也, ITmedia]

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