News 2000年11月15日 11:59 PM 更新

Java搭載iモードは,2001年早々にずれ込む

Java搭載携帯電話が最初にターゲットとするのはゲームではなく,BtoB。セキュリティの向上にJavaを使うという。

 11月15日,東京お台場で開かれた「Gartner SYMPOSIUM/ITXPO 2000」では,NTTドコモの副社長/研究開発本部長の森永範興氏が基調講演に立った。

Java搭載携帯電話は来年早々

 森永氏は「(Java搭載携帯電話は)来年早々になると思う」と話し,“年内”というこれまでのスケジュールが変更されたことを明らかにした。

 また,森永氏によると,iモードの将来はポータルビジネスだという。「iモードはBtoCから始まった」「Javaを搭載すれば,セキュリティも増大するのでBtoBへ突入する」と森永氏は語り,ビジネス市場へのアプローチを積極的に進める方針だ。Javaを搭載し,「電子商取引」「イントラネットアクセス」「ニュースエージェント」「ゲーム」などを付加サービスとして加えていく。時期は3月期中を予定している。

 携帯にJavaが載れば,端末内のJavaプログラムで認証キーを生成できるなど,セキュリティ面での向上が見込める。最初の機種はJavaのパフォーマンスも悪く,ゲームを楽しむには厳しい,と言われている。まずはセキュリティの向上にJavaを使うのが最も有効な手段だろう。

IMT-2000の価格は「鋭意検討中」

 来年5月に首都圏でサービスを開始する第3世代の通信サービス「IMT-2000」については,「映像からIMT-2000につなげていく」とし,「映像サービスがモバイルで可能になる」と森永氏は語った。

 ドコモのIMT-2000での通信速度のターゲットは,屋内で2Mbps,低速/高速移動では384Kbpsとのことだが,問題の料金に関しては発言をにごす。「通話は同じ料金体系だが,データ通信は鋭意検討中」(森永氏)

 また音楽配信サービスは,最初はPHSを使う。「松下通信,ソニーといっしょに来年早々には始める」(森永氏)

 最後に,第4世代といわれる「M-ISDN」にも触れた。「すでに研究を始めており,転送速度が(第3世代より)1ケタあがる」(森永氏)


ドコモのモバイルマルチメディア市場拡大のシナリオ。本格立ち上げは2002年からとなっている

moperaとiモードが統合

 「モバイルインターネット戦略」として取り上げられたのは「mopera」と「iモード」だ。森永氏は「moperaとiモードを統合して,新しい機能を加えたものを検討中」という。

 moperaもiモードもインターネット接続サービスの1種だが,それぞれの基地局プラットフォームは別々だ。moperaユーザーはiモードのコンテンツは参照できないし,iモードユーザーもmoperaのサービスを受けられない。

 通信網としては,moperaはPDC,PDC-P(パケット網),PHSを使っており,iモードはPDC-Pを使っている。両者が統合すれば,iモードサービスの利用がさらに増すとともに,モバイル専用のインターネット接続サービスとしてmoperaのユーザーの大量増加が考えられる。

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[斎藤健二, ITmedia]

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