News 2000年11月15日 10:45 PM 更新

Intel,Pentium 4搭載の新コンセプトPCを公開

発熱量が多いといわれるPentium 4だが,IntelはOEM向けの商談会場で小型フォームファクタのコンセプトPCを展示している。

 Intelは,特定顧客向けにプレゼンテーションを行うため「COMDEX/Fall 2000」会場近くのホテルにデモ会場を設けているが,そこにはPeer to Peer情報共有のデモソフトやDVI(Digital Video Interface)のコンテンツ保護機能などとともに,Pentium 4搭載の小型コンセプトPCが展示されていた。「Deep Forest」と名付けられた試作マザーボードで制作されたコンセプトPCは,Hewlett-PackerdとIntelが共同開発したもの。

 省スペースデスクトップPC並のきょう体に,i850チップセットを採用するPentium 4/1.5GHzのシステムが詰め込まれている。拡張スロットはロープロファイル版のAGPカードとCNR(Comunication Network Riser)カードのみだが,オンボードで追加USBコントローラを搭載し,USBポートを7つ装備している。展示されていたモデルのUSBポートは,すべてUSB 1.1対応のものだったが,USB 2.0コントローラをオンボードで搭載するなどして,高速周辺機器にも対応させる。

 マザーボードには,ほかに100BASE-TX対応のLANインタフェースを搭載しており,温度センサーによるアクティブファンコントロール機能も備える。なお,プロセッサのヒートシンクに空冷ファンは装備されておらず,電源ファンとグラフィックスチップ(ATI Redeon)の冷却ファンが装着されているだけだ。

 説明員によると,フロントの吸気口からきょう体内をストレートに空気が通過する設計になっているため,これ以上の冷却機構は不要という。Redeonの冷却ファンは小さなもので,またグラフィックスチップを変更すれば冷却ファンそのものが不要となるため,さらに静かなシステムにすることも可能だろう。

 もちろん,あくまで「コンセプト」であるから,このPCがそのまま市販されるわけではない。しかしながら,Intelは2001年後半にもPentium 4の本格普及に向けたマーケティングに乗り出すと言われており,Pentium 4システムを小型化できるとの証明を行うことは重要だ。

 特に日本市場では,いくら最新の高速マシンであってもフルサイズの巨大なPCは嫌われる。コンシューマー市場にも売り込むとなればなおさらだろう。発熱が大きいと言われるPentium 4では,冷却ファンの騒音も広く普及させる際に問題となる。IntelはPentium 4の普及速度を加速するため,こうした小型フォームファクタの開発を継続する予定だ。

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[本田雅一, ITmedia]

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