News | 2000年11月15日 10:53 PM 更新 |
米Intelが,「COMDEX/Fall 2000」期間中にモバイルプロセッサの報道関係者向け説明会を開催。「Mobile Focus」でも展示した1GHzのモバイルPentium IIIと,1ボルトを切る動作電圧を実現したモバイルPentium IIIを中心にプレゼンテーションを行った。
IntelのモバイルプラットフォームグループマーケティングディレクターのDonald MacDonald氏は「あくまで技術展示」と断りながら,モバイルPentium III/1GHzと超低電圧版モバイルPentium IIIを紹介した。
来年初めごろに登場するモバイルPentium III/1GHzは,0.18ミクロンプロセスで製造されるモバイルプロセッサの中でもっとも高速なバージョンになる。動作電圧は現行の850MHz版と同じ1.6ボルト。平均消費電力は1.5ワット以下になるという。その後,ハイエンドのモバイルPentium IIIは2001年中頃に0.13ミクロンプロセスに移行。クロック速度は1GHzを超え,動作電圧も低下させる。
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IntelのDonald MacDonald氏。本名だ。 |
一方,超低電圧版モバイルPentium IIIは,既報の通り1.1ボルト時で500MHz,0.975ボルト時は300MHzで動作する。Mobile Focusでは0.95ボルトと説明されたようだが,0.95という数字は目標値で,現在はまだ0.975ボルトで動作しているらしい。このプロセッサを搭載したIBMの「ThinkPad 240」は,大容量バッテリー搭載時に6時間のバッテリライフを実現する(現行機種は4時間)。
超低電圧版モバイルPentium IIIは,500MHz版が来年早々に登場したあと,2001年中頃に600MHz版へと性能アップ。0.13ミクロンプロセス化の予定は高性能版よりも遅く,2002年初めごろに700MHz以上の動作速度で投入されるようだ。
なお,1.35/1.1ボルトで動作する低電圧版モバイルPentium IIIも同様の進化を予定しており,年末から2001年初め頃に出荷が噂されてる700MHz版,2001年中頃に投入する750MHz版が予定されている。0.13ミクロンプロセスへの移行後は,800MHzを超えるバージョンも投入する。
このあたりの情報は,既に明らかになっているものも多いのだが,興味深いのはMacDonald氏が「2001年中頃に,複数のクロック周波数と動作電圧を組み合わせ,動的に動作速度を変化させるSpeedStepを投入する。動作速度はいくつものポイントを設定でき,リニアに近い制御を行える」と,アッサリ認めたことだ。
従来,IntelはモバイルPentium IIIの動作電圧が十分に低いことを理由に挙げ,Transmetaの「LongRun」,AMDの「PowerNow!」と同じような技術を採用する必要はないと話していた。こうした機能を投入するためには,プロセッサのハードウェアに手を加える必要がある。来年中頃と言えば,0.13ミクロンプロセスへの移行が予定されている時期であり,新しいプロセス導入のタイミングで新SpeedStepの実装が行われるものと思われる。
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