News 2000年11月15日 06:52 PM 更新

COMDEXで未来技術を展示する東芝

COMDEXの東芝ブースには,SDカード機器やBluetooth関連のほかに,高性能なリチウムイオンバッテリーなども展示された。

 東芝は,米ラスベガスで開催中の「COMDEX/Fall 2000」で,近未来のビジョンを示す技術展示を披露した。東芝の示す近未来技術は,SDカードを中心にしたアプライアンスから,高性能な薄型リチウムイオンバッテリーまで幅広く,来場者の興味をそそっていた。

 Bluetoothの応用製品としては,ワイヤレスのヘッドホンマイクやデジタルカメラなどを披露。Bluetoothベースのチャンネルプレビュー機能付きリモコンも展示された。しかし,近未来技術の展示で最も充実していたのは,BluetoothではなくSDカードの応用について。一瞬,ソニーのメモリースティックと見間違えるような展示もあったが,さまざまなコンセプトモデルが展示されていた。


Bluetooth対応のインタラクティブリモコン。プレビュー画面を備える


Bluetooth対応のデジタルカメラ。画像は,SDメモリを備えたほかの機器に転送する


SDカード内蔵の電子ブックブラウザ


SDメモリープレーヤー


SD対応のI/O装置類

 14インチの高解像液晶パネルを2枚貝殻のように合わせたディスプレイは,SDカードを差し込むことで電子ブックブラウザとして利用するというもの。PC用ディスプレイとしての応用も考えているようだ。

 もちろん,すぐにでも発売されそうなSDメモリプレーヤーや,メモリースティックでおなじみのGPS,カメラ,Bluetooth,スキャナなどのI/O系SDカードデバイスの展示もあった。

 個人的にもっとも興味を引いたのは,改良型リチウムイオンバッテリーのスペック。今世紀中には実用化が不可能といわれたリチウムイオンバッテリーをソニーが開発したことで,小型のテクノロジガジェットが一気に広がったように,バッテリー技術の進化は,ときに関連するデバイスの姿を一変させる。

 東芝の展示したリチウムイオンバッテリーは,リチウムポリマー並の3.1ミリという超薄型ながら,1セルあたり28グラム,3.6ボルト,1500ミリアンペア時の高性能を誇る。一般的なノートPC用3セルバッテリーは,だいたい10.8ボルトで1600〜1800ミリアンペア時,重さにして140〜150グラムぐらいなので,重量比で2倍とはいかないまでも,大幅な高性能化が図られている。

 角形セルの容量は,丸形よりもさらに小さいため,それらと比較すると,東芝の(あくまで未来技術の参考展示だが)バッテリーは2倍を大きく超える性能を持っていると評価できるだろう。厚さ3.1ミリならば,NECの「LaVie MX」(10月17日の記事を参照)が内蔵するリチウムポリマーバッテリーのように,液晶パネルの裏側に仕込んでおくことも可能なはずだ。

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[本田雅一, ITmedia]

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