News 2000年11月16日 10:48 PM 更新

携帯電話とPocketPC,デジカメが融合──組み込み機器の祭典MST2000

cdmaOne内蔵カメラ付き情報端末,Java搭載携帯電話用ゲームが動くJavaチップ,三菱電機の携帯内蔵PocketPC……非PCの話題満載の展示会が開かれた。

 11月15日から東京・国際展示場で,組み込み技術の展示会である「MST2000」が開催されている。

 一般にはあまりなじみのない“組み込み機器”という言葉は,従来はマイコンを使った産業機器の総称だった。しかし,最近では「デジタルテレビ」「セットトップボックス」「携帯電話」「家庭用/業務用ゲーム機」「デジタルカメラ」「ビデオカメラ」「ルータ」などの,今後の主流となるであろう非PC機器を指すことが多い。

 14回目となる今年は,CPUベンダーの英ARMの日本法人である「アーム」が初参加し,大きな盛り上がりを見せた。携帯電話に代表される次世代情報端末やネットワーク対応家電機器の動向は,今後非常に注目が集まる分野だ。写真を中心に,展示会の模様を報告する。


マイクロソフトのブースで発見した,三菱電機のPocketPC。なんとGSMタイプの携帯電話も内蔵している。フランスにある三菱電機の子会社「MITSUBISHI ELECTRIC TELECOM EUROPE」の製品で,Triumのブランド名を持つ。欧州で2001年第1四半期から「Mondo」という製品名で販売開始予定だという。日本での発売は未定


マイクロソフトブースでは,DDIの携帯電話内蔵端末も参考展示。カメラが搭載されており,会場の風景が画面に表示されていた。“cdmaOne”の文字も見える


同じくマイクロソフトブースの参考展示品であるコンパックの「iPAQ Home Internet Appliance IA-1」。液晶一体型の“ほとんどPC”だ。残念ながら動作はしていなかった


富士通の「Javaチップを用いたHAViソリューション」。富士通のJavaチップ「MB86799」は,0.25μメートルプロセスで製造され,12万ゲート(コア部)を集積している。66MHz品で,300ミリワットの消費電力で動作する。「同クロックのPentium IIIと比較して14倍の速度」(富士通)。JavaチップはJavaネイティブで動作するため,計算するとPentium III/1GHzに近い速度で動くことになる


Javaチップを搭載したWeb専用機も参考出展。JavaAPIとして「PersonalJava」,リアルタイムOSは「μITRON」を搭載する


Java搭載携帯電話に向けて開発されている,ドワンゴの「サムライ ロマネスク」がJavaチップ上で動作中。Javaチップは,Javaの開発者に非常に喜ばれたとのことだ

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[斎藤健二, ITmedia]

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