News 2000年11月27日 11:09 PM 更新

カノープス,PC画像をBSデジタル対応TVに高精細出力

BSデジタルに対応したD端子付きのテレビに,PC画像を出力できるカードが完成間近だ。低コストで大画面,高輝度な映像が楽しめるようになる。

 11月25日から27日,東京・秋葉原駅前広場で行われた「CUSTOM PC WORLD 2000 in Akihabara」のカノープスブースでは「SSH-HDTV」が参考展示された。

 SSH-HDTVは,PCの高精細な画像をBSデジタル対応テレビに出力するもの。BSデジタル放送では,チューナーとテレビをD端子によって接続する。SSH-HDTVとテレビのD端子を接続することで,720×480ピクセルのプログレッシブ方式(480p)や1280×720ピクセルのプログレッシブ方式(720p)でPC画像を表示できる。


デモンストレーションは,720×480ピクセルのプログレッシブ表示。PCディスプレイ(右)と比較して,非常に高い輝度が得られているのがお分かりだろうか

 D端子と対応解像度の関係は以下の通りだ。数字は縦方向の解像度を示し,「i」はインタレース,「p」はプログレッシブを示す。現行テレビ放送はほぼ480iに相当する。

端子D1D2D3D4D5
480i
480p-
1080i--
720p---
1080p----

 デモンストレーションとして,3D画像がPC用ディスプレイとBSデジタル対応テレビに同時に表示されていた。SSH-HDTVでは通常のRGB端子とD端子の両方に画像を表示できる。


SSH-HDTVにはこのようにRGB端子とD端子が装備される

 720×480ピクセルで表示された画像は,プログレッシブ表示のため,通常のテレビにPC画像を表示したときのようなちらつきもなく,にじみもない非常に高精細なものだった。また,強く感じたのが輝度の高さだ。カノープスのGP開発部長である中田潤氏によると,PC用のディスプレイに比べてテレビは1つひとつのドットピッチが大きいため,高い輝度を実現できるという。


テレビのD3端子に接続されている。ちなみにD端子に流れるのはデジタル信号ではなく,アナログコンポーネント信号なのでお間違いなく

 D4端子付きのテレビは15万円前後(32型)から,D3端子付きのテレビなら28型のものが10万円前後で購入できる。この価格で高精細なPC画像を大画面で見られるのだから,DVD再生やゲーム用途には魅力的だ。

 SSH-HDTVの取り付けは,カノープス製グラフィックカードのSSHと呼ばれるサブ基板をSSH-HDTVに交換して行う。HDTV出力エンジン自体はNVIDIAのグラフィックチップ「GeForce」シリーズに内蔵のものを使うため,「SPECTRA7400 DDR」以降のグラフィックカードに対応予定だ。基板自体は既に完成しており,現在はドライバのチューニング中だという。発売は来年早々,1〜2万円での発売を予定している。

関連リンク
▼ CUSTOM PC WORLD in Akihabara
▼ カノープス

[斎藤健二, ITmedia]

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