News 2000年11月27日 11:45 PM 更新

情報家電に活路を見出すアイオメガ

Pocket Zip採用の携帯プレーヤーやCD-R/RWドライブを投入するアイオメガは,再び檜舞台に上がることができるのだろうか? 

 「周辺機器から情報家電への移行」を掲げるアイオメガは,来春以降,米国で展開中であるPocket Zip採用の携帯プレーヤー「HipZip」や,「Predator」ブランドのCD-R/RWドライブを国内市場に順次投入する。

 一目でアイオメガ製品と分かるコバルトブルーのボディのHipZipは,既に国内での発売が明らかにされている製品だが(10月17日の記事参照),新製品が立ち並ぶ記者会見の会場において注目度は最も高かった。


発売は2001年1月の予定。価格は未定だが,「3万円前後になるのでは」(アイオメガ)とのこと
 楽曲の圧縮形式は,WMA(Windows Media Audio)とMP3に対応。メディアには,以前「Click」と呼ばれていたPocketZipを採用している。PocketZipの容量は40Mバイトで,MP3だと7曲程度収録することが可能だ。ただ,大容量化の進む半導体メディアを使う携帯プレーヤーと比較すると容量不足は否めないが,アイオメガでは「PocketZipの価格は,1枚1500円程度と安価。1枚にCDアルバムを全部収録するのではなく,数枚持ち運ぶという使い方を提案する」と話す。また,USBインタフェースを備えるHipZipは,外付け型のドライブとして使用することも可能だ。

 一方,アイオメガ初の光ディスクドライブとなる「Predator CD-RWドライブ」は,IEEE 1394またはUSBインタフェースを備える。IEEE 1394モデルで6/4/32倍速,USBモデルで4/4/8と標準的なスペックだが,「アイオメガ製品らしい特徴的なデザインでユーザーに訴求したい」(アイオメガ)と言う。そのほか,PCカードタイプのアダプタも提供される予定。


本体中央のうず巻き模様など,Dreamcastを彷彿させるデザイン。発売時期は,2001年2〜3月の予定。価格はオープンプライスだが,店頭では3万5000円前後で販売される見込みだ

 またアイオメガは,フォトビューワ機能を持つZip250ドライブ「FotoShow」を参考出展。本体背面にAV出力端子を備え,TV画面にZipに記録した画像を表示することができる。本体には,コンパクトフラッシュ/スマートメディアスロットも装備し,Zipとの間でデータをやり取りすることができる。ただ,コンパクトフラッシュ/スマートメディアからダイレクトに画像を表示することはできず,フォトビューワ機能を使用するには,データをZipにコピーしなければならない。


参考出展されていた「Foto Show」。2001年夏頃の発売予定。価格は4万円前後
 売り上げが伸び悩むZipドライブにとって,“FDを代替する”という目的は,もはや現実的ではない。だがアイオメガは,「HipZipや,FotoShowは,Zipが情報家電分野にアプローチする戦略的な製品だ」とZip再起に向けて新たな活路を見出した。ただ,米国で発売されたPocketZip搭載デジタルカメラは,高額だったため売れ行きが鈍く,国内への投入は見送られるなど,情報家電分野への進出も必ずしも順風満帆というわけではない。しかしHipZipは,米国のアナリストの間で「メディアが安価なHipZipは,大きなポテンシャルを秘めている」と好意的な評価を得ている。

 「米国に比べ,日本ではZipの認知度は低いが,その分,ポテンシャルは大きいと考えている。デザインで主張するアイオメガの製品は,デザインにうるさい日本のユーザーに受け入れられるはずだ」(アイオメガ)

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[中村琢磨, ITmedia]

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