News 2000年12月5日 11:59 PM 更新

Linux/Solarisに対応したデータ復元ツール「FINALDATA」

アルファオメガソフトの「FINALDATA」にUNIX対応版が加わった。断片化したデータの修復も可能だ。

 アルファオメガソフトは12月5日,データ復元ソフト「FINALDATA」のUNIX対応版を発表した。今回リリースされたのは,Solaris版とLinux版の2種類。今後,AIX版やHP-UX版も用意するという。UNIX向けのデータリカバリーソフトは,世界でも例がない。

 FINALDATAは,操作ミスやセクター異常,ウイルスによる被害などで失ったファイルを復元してくれるソフトだ。HDDに「FDISK」やフォーマットをかけてしまった場合でも,物理フォーマットや上書きさえ行われていなければ,データを復活させることができる。これは,ファイルの削除によってディレクトリエントリが失われても,データ本体は無事であることが多いため。FINALDATAは,残ったディレクトリエントリをサーチして,位置情報を復元してくれる。

「本に例えるなら,目次がなくなったようなものだ。本文は残されているのだから,そこから探せば読むことができる」(アルファオメガソフトの佐々木隆仁社長)。

断片化したデータも復活

 これまで,FINALDATAはMS-DOS版とWindows版(95/98/Me/NT/2000)をラインアップし,パッケージ販売と店頭でのデータ復元サービス「D@TA119」の2本立てで提供されてきた。このD@TA119では高機能な「プロバージョン」が使用されているが,新製品のUNIX版にも,プロバージョンの機能が一部盛り込まれている。

 それは,断片化したファイルの修復機能だ。例えば,断片化した画像データでは,画像の一部分が入れ替わってしまうケースがあるが,FINALDATAでは「イメージビューア」機能で画像ファイルを表示しながら,「テーブルエディタ」でディレクトリエントリを編集し,正しい状態にして保存することができる。

 また,テキストファイルが断片化して見つからなくなった場合,任意のキーワードで検索することも可能だ。FINALDATAがキーワードを16進数に変換し,クラスタを直接スキャン。見つけた生データをクリップボードにコピーして,それをエディタなどで保存すれば修復完了だ。

 ただ,今回リリースされたUNIX版は,いずれもWindowsクライアントからTCP/IPネットワークを経由してサーバのデータを修復する形をとっている。このため,サーバやSolarisクライアント単体では,動作できない。「単体でデータを復元する製品も開発中だ。年明けには出荷できるだろう」(佐々木社長)。

 「FINALDATA Linux」は,RedHatやTurboLinuxなどEXT2対応のLinuxをサポートする。一方の「FINALDATA Solaris」は,Solaris 2.5.1,2.6,7,8に対応している。価格はいずれもオープンプライス。出荷開始は12月24日の予定だ。

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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