News 2000年12月5日 11:59 PM 更新

ネットワークはハブ型に移行する? ベル研セミナー

WDM(波長分割多重)やDSLの技術など,数限りない革新的な技術を世に送り続けているベル研究所のテクノロジーセミナーが開かれた。

 12月5日,日本ルーセントテクノロジーは同社の研究開発部門であるベル研究所によるテクノロジーセミナーを都内のホテルで開催した。


ベル研究所のソフトウェアプロダクトグループの社長であるKenan Sahin博士
 基調講演は,ベル研究所のソフトウェアプロダクトグループの社長であるKenan Sahin博士によって行われた。

 Sahin博士は,現在のコンピュータネットワーク社会を指して「ネットワークのオープン化が重要だ」と説く。「現在はASPの時代。ネットワークにおいてASPが重要な役割を果たす。バーチャルeモールもASPの下で提供されようとしている」(Sahin博士)。

 また,ネットワークのトポロジー(接続の形状)が「皮肉なことに古いネットワーク的になってくる」と予想する。「航空業界は分散型からハブ型に移行している。さらにその後,コストが安くなるとダイレクトにつながるようになってくる」(Sahin博士)。


現在は分散化されているネットワークが,今後ハブ形状に移行したり,ダイレクトにつながる可能性もあるという

 また,ソフトウェア開発についても“スケーラビリティ”が重要だと語る。これまでの問題は,「上へのスケーラビリティしか考慮されてこなかった」(Sahin博士)ことだというのだ。Sahin博士は課金ソフトウェアを例に挙げ,「小型化がもっとも難しかった。新しい世界ではソフトウェアを小型化するこが重要」と言う。

 小型のソフトウェアが重要な理由としては「古い大きいソフトは,新しいビジネスモデルに適合できない」と言う。「なぜ2000年問題が起こったか? 交換可能なシステムではなかったからだ」(Sahin博士)。


Lucentでソフトウェア開発に使われるという,ソフトウェアのポートフォリオ。CORBAやEJB(Enterprise JavaBeans)を中心に構成されている

 1つの企業だけでは,必要としているソフトを開発できないし,何年もかけて開発していてはできあがるころには古くなっているとSahin博士は言う。「ソフトは人のようでなくてはいけない。コミュニケーションできて,対話できなくてはいけない」(Sahin博士)。

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[斎藤健二, ITmedia]

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