News | 2000年12月5日 10:35 PM 更新 |
カノープスは11月にMPEG2録画機能付きTVチューナの「WinDVR PCI」を発売した。PCIカード型のTVチューナで受信した映像を,ソフトウェアでMPEG2形式にエンコードしてHDDに録画できる製品だ。1万9800円と低価格ながら,タイムシフト機能など,ほかの製品が持っている機能はほぼ搭載している。
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テレビ/ビデオ機能を操作できるリモコンと,受光部も付属する |
簡単な仕様は以下の通りだ。
製品名 | WinDVR PCI |
入力端子 | S×1,NTSCチューナー,FMチューナー |
動画キャプチャー | 最大720×480ピクセル |
対応OS | Windows 98SE/Me/2000 |
価格 | 1万9800円 |
これまでも同様のことができる製品はいろいろあったが,WinDVR PCIの特徴は3つある。
これまで,Windows 2000ユーザーが最も残念に思っていたのは,Windows 2000に対応したTV録画キットがなかったことだ。現在発売されているTV録画キットとTV録画できるPCは,ソニーのバイオを除いてすべてWindows Meにしか対応していない。
WinDVR PCIの最大の特徴は,Windows 2000に対応していることだ。後付けのTV録画キットで対応しているのは,ほかにはATIテクノロジーズの「ALL-IN-WONDER」シリーズしかない。しかしALL-IN-WONDERシリーズは,番組表からの予約録画には対応していない。
最近のHDD録画キットに流行している機能が,番組表からの予約録画だ。PCの画面に表示された今日,明日のテレビ番組表を見ながら,予約したい番組を選ぶだけで操作が完了する。
このテレビ番組表の取得法は一般にEPG(Electric Program Guide)と呼ばれ,大きく2つに分かれる。1つは地上波のテレビ電波を利用したHTMLデータ放送サービス「ADAMS」を使う方法。もう1つは,インターネットサイトから番組情報をダウンロードしてくる「iEPG」方式だ。
ADAMSを使う方法は,日立の「Prius」やNECの「SmartVision Pro」が代表的だ。iEPGはもともとソニーが始めた方式で,バイオシリーズ以外ではほとんど見かけない。
ADAMSならば全くコストがかからず利用できるが,受信にある程度の時間がかかったり,地域によっては電波の受信状態に影響される。iEPGはどこでも利用できるが,いちいちインターネットに接続しなくてはいけないという欠点がある。
WinDVR PCIはiEPGに対応し,インターネットにつながる環境ならば簡単に録画予約が行える。
これだけの機能が,定価1万9800円という低価格で搭載されている。ほかのTV録画キットが3万円程度することを考えると,非常にお買い得だ。
ただし,いくつか注意点もある。最近のMPEG2エンコードはハードウェアのチップで行うのが主流だが,WinDVR PCIはソフトウェアで行う。そのため,最低でもCeleron/400MHz,できればPentium III/700MHz程度の高速なCPUが必要となる。
試したPCはPentium III/600MHzのものだが,非常に快適に録画/再生/タイムシフトなどを楽しむことができた。TVの録画に美しさを望む人は別だが,この価格でこれだけ満足度の高い製品は珍しい。
再生時に早送り,巻き戻しボタンが使えず,タイムバーで操作しなくてはいけないとか,予約録画の場合,自動的にソフトが立ち上がりTVが表示されるのでスピーカーは切っておかないと近所迷惑だとか,細かい不満はある。それでも一度HDDに録画する環境を試してしまうと,もうVHSテープに録画なんてする気にならない。
そんなわけで,早速私物用に買いに行きたいと思ったのだが,すごい人気でどこでも品切れ中。次回入荷にはもうしばらくかかるようなので,店舗の状況をチェックしていよう。
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