News 2000年12月6日 09:23 PM 更新

モバイルeビジネスはすべてのニーズをカバーする──NokiaのKari-Pekka Estola副社長

携帯電話と,それを取り巻くモバイルeビジネスはどのように進歩していくのか? Nokia Research Centerのトップが語った。

 12月6日,半導体製造装置と材料の総合展示会「セミコン・ジャパン 2000」が開幕した。幕張メッセの1〜11ホールとイベントホールを使用し,展示小間数4400以上,出展社数1590という大規模な展示会だ。今後主流となる300mmウエハーを中心に,その製造装置や搬送装置など,各社が最新の技術を競い合っている。

 初日に行われた基調講演では,Nokia Research CenterのKari-Pekka Estola副社長が壇上に上がり,携帯電話市場の見通しと次世代モバイルコミュニケーションについて語った。同氏によると,モバイルフォン市場は2003年に10億台規模(全世界)に成長し,Webに繋がる端末としてはPCを上回るという。

 今後,端末とアプリケーションは多様化する方向にあり,よりシンプルでユーザーフレンドリーなUI(ユーザーインタフェース)を備えるようになる。「コンテンツは各ビジネスに特化して作り込まれ,人々はアプリケーションごとに端末を選ぶようになるだろう。そこでは,機器間の相互運用性が重視される」(Estola氏)。進化した端末は,接続が確立されると必要な情報を収集する機能を持ち,各種IDカードの代替としても使える「ユーザーのためのPersonal Trusted Deviceになる」(Estola氏)という。

 一方,モバイルフォンを取り巻く“モバイルeビジネス”は,「将来的にすべてのニーズをカバーできるようになる」(Estola氏)。現在は,モバイルバンキングのような“従来型サービスの取り込み”段階だが,今後はセキュリティを確保した企業間取引手段として“モバイル・マーケットプレイス”が形成される。さらに,保証付きの決済システム,カスタマーリレーションシップという「4つの段階を経て」(Estola氏)進化する。

 またEstola氏は,WAPやBluetooth,IMT-2000といった次世代モバイルフォンのカギとなる技術を紹介しながら,新しい標準化の方法が必要だと語った。「10年前は,業界の動きが見えていた。しかし,状況が変化した今,新しい標準化機関の必要性が高まっている」(Estola氏)。

 セミコン・ジャパン 2000の会期は8日の金曜日まで。開場時間は午前10時から午後5時。展示会のほかに,国際的な情報交換の場を提供する各種の技術プログラムやセミナー,シンポジウムも行われている。

関連リンク
▼ SEMIジャパン

[芹澤隆徳, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.