News 2000年12月7日 11:57 PM 更新

MTX猛威で11月のウイルス被害は過去最悪に

W32/MTXが大流行した影響で,11月のウイルス発見届出が過去最多の2203件を記録するという深刻な状況になっている。

 情報処理振興事業協会(IPA)は12月7日,11月のウイルス発見届出状況が,これまでの月間最多記録である今年10月(906件)の2.4倍に上る2203件だったと発表した。また,実際に感染してしまった実被害件数は546件で,同じく過去最多記録の1999年3月(339件)を大きく上まわる数字となった。ウイルス被害が激増した理由は,「MTXウイルス」(W32/MTX)が大流行したため。単体のウイルスでは過去最悪となる894件の届出があり,感染実被害件数の70%近くを占めている。

 W32/MTXは,特定のディレクトリにあるいくつかのWin32アプリケーションに感染するほか,感染ファイルをメールに添付して自動的に送信し,繁殖する。このメールは,送信したメールに続いて本文/件名なしの2通目のメールとして届けられるため,「何かファイルを添付し忘れたのでは」と考えて開いてしまう初心者ユーザーが多いという。さらに,W32/MTXは添付ファイル名が日によって31通りに変わるため,「被害が一層深刻化している」(IPA)という。

 またIPAでは,11月になって発見された新種のウイルス「W32/Navidad」が急速に広まりつつあることに注意を呼びかけている。W32/Navidadは,受信トレイにある古いメールに自らのコピー(Navidad.exe)を添付して送信する。受信者は,メールの内容がかつて届いたメールと同じであることから,うっかり添付ファイルを開いてしまう可能性があるという。「あまりにも無防備に添付ファイルをクリックするユーザーが多すぎる。常に添付ファイルは疑う必要がある」(IPA)

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