News 2000年12月11日 07:16 PM 更新

日本IBMとマイクロソフト,地域密着型の再生PC寄贈支援プログラムを発表

IBMとMSは,不要なPCを引き取り,再生して非営利団体に寄贈するプログラムを発表した。2月より,まず北海道と沖縄で活動を開始する。

 日本アイ・ビー・エム(IBM)とマイクロソフトは12月11日,企業や団体で不要になった中古PCの再生を支援し,非営利団体に寄贈する「リユースPC寄贈支援プログラム」を共同で実施することを発表した。各地域で寄せられた中古PCを地元のパートナーが再生するという,従来にない地域密着型の社会貢献プログラムだ。両社は,技術と財政の両面からこれを支援する。


マイクロソフトの阿多社長(左)と日本IBMの堀田常務

 このプログラムでは,企業などで不要になったIBM製の中古PCを引き取り,地元に拠点を置くパートナーが再生作業を行う。PCの再生にかかる費用(テスト・データ消去・OSの導入など)をIBMが負担し,マイクロソフトは新規に導入するOSやOfficeプログラムを提供する。再生されたPCは,3カ月間の保証付きで地元の教育施設や社会福祉施設に寄贈されるという。記者発表会で挨拶に立ったマイクロソフトの阿多親市社長は「PCを運搬するだけでもコストが発生する。地域ごとに完結したプログラムは,ネット社会の中でもメリットがある」と話している。

 寄贈PCの受付や再生作業の依頼など,実際の運営活動は,NPO(特定非営利活動)法人のeエルダーが担当する。eエルダーは,IBMの定年退職者を中心に今年7月に設立されたグループで,社会福祉/教育分野の団体や個人に対して情報システムの関する研修や開発といった活動を提供している。IBMの堀田一芙常務は,「従来のものに比べて,多くの人が関わるプログラムだ。経費をシェアして低減させる効果に加え,地域社会を活性化し,環境にも配慮した活動になる」と言う。

 同プログラムは,2001年2月1日より沖縄と北海道で活動を開始し,将来的には全国へ広げていく方針。北海道では,工業高校から寄贈されたPCを北ガスサービスと夢システムの2社が再生し,小学校に寄贈する予定だ。また,沖縄では,民間企業のサンエーが来年リプレースする予定の「ThinkPad」を創和ビジネス・マシンズが再生し,非営利団体に提供する。「2001年の1年間で1000台のリユースPC寄贈を予定している」(堀田氏)。

関連リンク
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[芹澤隆徳, ITmedia]

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