News | 2001年2月2日 11:34 PM 更新 |
NTTコミュニケーションズとNTTは2月2日,高速暗号処理が可能な接触・非接触共用ICカードを開発したと発表した。これまで,供給電力の少ない非接触型ICカードでは,暗号化のような複雑な演算を高速に行うことは困難だと言われていたが,両社が独自に改良を加えた「楕円暗号方式」では,0.4秒で決済を完了することができるという。
次世代暗号方式として注目されている楕円暗号方式は,現在普及している「RSA方式」による1024ビット鍵と同等の強度を160ビット鍵で実現できるため,データ処理量が少なくてすむ。さらに両社では,ICカード内で暗号処理の一部を事前に50回程度まとめて計算させることで,処理時間を従来の3分の1に短縮。非接触型ICカードに,実用レベルで公開鍵暗号技術を搭載することに成功した。
安全性の問題から,金融分野のICカード化はこれまで接触ICカードを軸に検討が行われてきたが,両社では「この非接触型ICカードの開発により,金融分野でのICカードの導入も視野に入ってきた。さらに,電子政府における公印カードや住民カードなどあらゆる分野で公開鍵暗号対応ICカードのニーズは大きい」と強調する。
なおNTTコムでは既に,このICカードを用いたサービスについて,金融/交通/流通などの数社と検討を開始しており,2001年中にサービスが開始される予定だとしている。
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