News 2001年2月6日 10:46 PM 更新

誤ダイヤルを起こす内蔵モデムが氾濫中? JEITAが警告

インターネットにダイヤルアップ接続する際,設定と異なる電話番号にダイヤルしてしまうパソコンがある。JEITAの要請により,各メーカーは自社サイトで告知をはじめた。

 電子情報技術産業協会(JEITA)は,インターネットにダイヤルアップ接続する際,設定と異なる電話番号にダイヤルしてしまうパソコンについて注意を促している。これは,CPUに負荷がかかっている状態で接続しようとすると,電話番号の一部が欠落したり,別の番号に変わったりしてしまうというもの。「第3者に間違い電話としてかかる場合がある上,ユーザー自身にも余分な通信料金が発生することになる。可及的速やかに対処することが重要だ」(JEITA)。

 このトラブルは,1998年夏以降に出荷されたWindowsパソコンと,アナログパルス回線を使っている場合に限られる。しかし,該当機種は100以上,この2年半の間に出荷された全パソコンのうち,実に25%に上るというから深刻だ。

 誤ダイヤルには,2つのパターンがある。まず,電話番号のうち,1〜2桁が欠落するパターン。例えば,アクセスポイントの番号が「049-911-XXX9」で「04」が欠落してしまったとき,「9-911-XXX9」となる。このままでは電話番号として認識されないが,Windowsの市外局番設定に「049」が入っていた場合は「049-991-1XXX」にかかってしまう。これは電話番号として使われている可能性も高い。

 もう1つのパターンは,0番や9番といった桁の大きな番号が分割され,別の数字になってしまうというもの。例えば,アクセスポイントの番号が「071-254-XXX4」のとき,「7」が「2」と「5」に分割され,「0251-254-XXX4」になってしまうことがある。この場合は,「0251-25-4XXX」にかかってしまう。

原因はデバイスドライバ?

 パルス信号を使うアナログ回線の場合,電話機はダイアル回線スイッチのオン・オフ信号を送出することにより,交換機に相手先の電話番号を伝える。一方,Windowsシステムの内蔵ソフトウェアモデムは,ダイヤルパルスの生成にWindowsのシステムタイマーを使用している。このため,ダイヤルアップ時にCPU負荷がかかっていると,システムタイマーのタイミングがずれ,生成するパルス信号のタイミングを正しく制御できなくなってしまうという。この現象が起こるのはWindows 95/98/98SEで,一部Windows Meをプリインストールした機種でも可能性があるようだ。

 恒久的な対策としては,モデムのデバイスドライバを更新すること。JEITAの要請を受け,パソコンメーカー各社は該当機種のリストと対策を自社サイトで公表している(下記の関連リンクを参照)。一部の機種では,対応ドライバが若干遅れているようだが,多くは最新版のドライバで対応できる模様だ。また,対応ドライバのない機種でも,春までには対応ドライバが提供される予定になっている。それまでの暫定的な措置としては,「パソコンの電源投入直後や複数のアプリケーションを立ち上げているときなど,CPUに負荷がかかっている状態で回線接続を行わないこと」(JEITA)。

 なお,三洋電機およびシャープは,該当する製品は出荷しておらず,自社サイトでその旨を告知している。

関連リンク
▼ JEITAの告知
▼ NEC
▼ 富士通
▼ エプソンダイレクト
▼ ソニー
▼ 東芝
▼ 日本アイ・ビー・エム
▼ 日立製作所
▼ コンパック
▼ 三洋電機
▼ シャープ

[芹澤隆徳, ITmedia]

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