News 2001年2月7日 11:59 PM 更新

ITとネットワークの専門展示会「NET&COM21」開幕

「NET&COM 21」の展示会場で一際異彩を放っていたのが,松下電送システムのホームルータ「SJ6」だ。

 2月7日,みぞれ混じりの雨が降るあいにくの天気の中,ITとネットワークソリューションの専門展示会「NET&COM 21」が開幕した。展示会場には幕張メッセの4〜6ホールを使用し,過去最多の331社が出展している。

 展示会場で一際異彩を放っていたのが,松下電送システムの「SJ6」。昨年7月に開催された松下電器産業のプライベートショウ「IT&SOLUTION 2000」などでも展示されていたホームルータのコンセプトモデルだ。

 SJ6は,単なる家庭用ルータではない。その特徴は,家庭内の情報系LANとAV系LANの両方に対してゲートウェイとして動作すること。IPv6とIPv4のデュアルスタックに対応し,映像データも帯域を確保(RSVP/diffserv対応)して伝送できる。「IPv4でも帯域制御はできるが,QoSを前提としたIPv6のほうが適している」(松下電送システム第1開発グループの片山幸治主任技師)。このため,SJ6の製品化は,IPv6の実用化が前提になるようだ。

 会場では,サーバから配信されたマルチキャストのMPEG-2動画(5Mbps)を,IEEE 1394とFastイーサネットを介してテレビに映し出すデモを披露している。もちろん,IP対応テレビはまだ存在しないため,机の下に隠したPCでデータを受け,IPv6をソフトウェアデコードした上で,アナログ出力している。「製品化されるころには,家の中にあるすべてのものがIPベースでつながっているはずだ。IEEE 802.11bを使って動画を伝送することもできるし,BluetoothやHomePNA2.0も視野に入れている」(片山氏)。

 こちらは,コンパックが間もなく日本語版を発売する予定の「iPAQ Pocket PC」(写真は英語版)。本体と同時に,コンパクトフラッシュType IIやPCカード Type IIのスロットを備えたジャケットも発売される。PCカードスロットにささっているのは個人認証用のICカード。携帯端末の中でもCPU速度と大型のディスプレイを生かして,ビジネス用途への展開が期待されている。

 NTTドコモの「DoPa Mobile Ark 9601D」。DoPaとは,iモードでも利用されているパケット通信網のこと。10センチ少々の箱に9600bpsのパケット通信機能が内蔵されている。自動車の運転席や自動販売機などに取り付けることで,リモート管理が可能だ。既に1万台程度の納入実績があるという。プロトコル変換アダプタを利用し,TCP/IP通信も利用できるためシステムへの導入も行いやすい。

 Red-Mが開発した,Bluetooth搭載のサーバ「3000AS アクセスサーバ」。PCベースのLinuxサーバで,Bluetoothやイーサネット,ISDNのTA/DSU機能を内蔵し,「Bluetoothネットワークの構築を実現する」という。単なるアクセスポイントと違うのは,LinuxサーバとしてVPNやメールサーバ,ファイルサーバ,ファイアウォールなどの機能も搭載している点。ローカルストレージも持っており,ネットワークを通じて機能を追加することもできる。Bluetoothのプロトコルスタックは,国内で多くの採用実績を持つエーアイコーポレーションが提供している。

[斉藤健二&芹澤隆徳, ITmedia]

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