News 2001年2月14日 11:53 PM 更新

次世代移動体通信で企業のモバイルコンピューティング導入が進む――モバイル実践セミナー

MCPCモバイル実践セミナー2001では,次世代移動体通信に取り組む各社のパネルディスカッションが行われた。

 2月14日に開催された「MCPCモバイル実践セミナー2001」では,KDDI,三菱電機,東芝などが企業へのモバイルコンピューティング導入の課題ならびにその将来像についてパネルディスカッションを行った。

 東芝の久保勲上席常務は,「企業でモバイル機器を導入するには,通信スピードが十分ではなく,コストもかかりすぎる」と指摘。営業マンなどのフロントエンドとデータベースやノーツなどのバックオフィスが一元化されるのは,「高速通信が可能なIMT-2000が本格的に立ち上がってからだろう。料金面ではパケット通信の定額制導入が望ましい」と話す。

 KDDIで移動体事業統括本部au商品企画部長を務める井上幾由氏は,「企業でのモバイルコンピューティングは普及し始めているが,本格的な立ち上がりはこれからだ」と見る。将来的な展望として同氏は,現在実証実験中である2Mbpsのデータ通信速度を実現可能なHDR(High Data Rate)について触れ,「家電や自動車などに内蔵することも可能だ。料金は定額制も視野にいれており,さまざまなシーンでの活用が考えられる」と語った。

 一方,三菱電機の情報システム事業本部副部長の香取和之氏は,セキュリティの観点からモバイルコンピューティングを分析。モバイルコンピューティングの普及には強固な安全性を実現することが不可欠だと述べ,同社が第3世代移動体通信システム向けに開発した暗号方式「KASUMI」をアピールした。KASUMIは,数値化された安全性指標を持つ「MISTY」をカスタマイズした 国際標準の移動体通信システム用の暗号方式。

[中村琢磨, ITmedia]

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