News 2001年2月20日  9:15 PM 更新

eラーニング分野でスタディボックスと日経,凸版,IBMが提携

eラーニング事業を手掛けるスタディボックスに日経,凸版,IBMの3社が出資。studyboxを使った「日経スタディボックス」(仮称)を7月に開始するほか,コンシューマーPCへの展開も検討している。

 日本経済新聞社,凸版印刷,日本アイ・ビー・エム(IBM)の3社は2月20日,eラーニング事業(インターネットを利用した遠隔教育)を手掛けるスタディボックスの第3者割当増資を引き受け,資本提携したことを明らかにした。スタディボックスのシステムを日経のビジネス講座に導入するほか,コンテンツ制作面で凸版が,またシステム構築とコンシューマーサービスでIBMが協力する。

 スタディボックスは,メディア企画会社のジェイ・キャストが主体となって昨年7月に設立したベンチャー企業だ。米iVilleが開発したWebベースの教育システム「studybox」と約2000コースあるコンテンツの包括販売権を取得し,国内販売を行っている。今回の提携により,コンテンツの作成からシステムの構築,販売までを含む総合eラーニングソリューションを提供できるようになるという。

 studyboxは,Windows 2000/NTとSQL Server上で動作する遠隔教育システムだ。受講者,講師,管理者に向けた専用ページが用意され,教材の作成,掲示板やチャットといったコミュニケーション機能,受講者の管理機能などを提供する。とくに,講師が簡単な操作で教材を登録できる点が特徴で,テキストや画像はもちろん,WordやPowerPointで作成したものでも,ファイルを指定するだけで自動アップロードされるという。受講者は,ブラウザで講義を受けることができる。

 日経ビジネススクールでは,studyboxを使った「日経スタディボックス」(仮称)を7月に開始する予定だ。当初はIT関連を中心に10講座を開設し,2001年までに30講座,5000人の受講者獲得を目指す。

 また,IBMではコンシューマー向けのeラーニングサービスでスタディボックスと協業する。コンシューマー向けパソコン「Aptiva」などのデスクトップにStudyboxアイコンを置き,「はじめてのインターネット」「ぱそこん入門」といった初心者向けの講座をユーザーに提供する見込み。発表会に同席したIBMの堀田一扶常務は「Aptiva購入者が,アイコンをクリックするだけでインターネットに出て講座を受けることができるようにしたい」と話している。ただし,具体的な製品計画は提示されておらず,「ビジネスモデルの変更を含めた戦略の中で検討中」(堀田氏)とするにとどまった。

 なお,第3者割当増資の引き受け額は,日経が6000万円,凸版が5000万円,IBMが1000万円の計1億2000万円で,株主構成はジェイ・キャスト50.3%,日経15.1%,凸版12.6%,IBM2.5%となった。同時に,IBMの前PSe・ビジネス事業部長の田中一正氏がスタディボックスの代表取締役常務に就任したほか,日経と凸版からもそれぞれ非常勤取締役が派遣されている。

関連リンク
▼スタディボックス
▼日本アイ・ビー・エム
▼日本経済新聞社
▼凸版印刷
▼ジェイ・キャスト

[芹澤隆徳,ITmedia]

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