News 2001年2月21日 09:34 PM 更新

日本SGI,ブロードバンド向けシステム構築事業を強化

日本SGIは米Kasennaと提携し,広帯域の高速データ配信のシステム構築事業を本格化させる。3月には「ブロードバンド・ソリューションセンター」を開設する予定だ。

 日本SGIは2月21日,「ブロードバンド・ソリューションセンター」を3月1日に設立し,ブロードバンド関連のSI(システムインテグレーション)事業を本格化することを発表した。有線ブロードネットワークスのコンテンツ配信事業「BROAD-GATE01」構築で培った技術とノウハウを活かし,広帯域インターネットの事業化を目指す通信事業者やISP,コンテンツプロバイダーなどに映像のストリーミング配信や課金のシステムを提供する。

 グラフィックワークステーションベンダーというイメージが強いSGIだが,和泉法夫社長は「われわれはこの2年間で大きく変わった」という。テクニカルコンピューティング分野での大容量イントラネット需要を背景に,同社は国内外の大学で300ものVOD(Video On Demand)システムを構築してきた。ベネッセコーポレーションやコクヨなど,企業システムへの導入も進んでいるという。こうしたノウハウをもとに,続々と登場してきた商用ブロードバンド事業者をターゲットに加える。

 同日,昨年1月にSGIのソフトウェア・テクノロジーグループからスピンオフした米Kasenna(2000年1月12日の記事を参照)との提携を発表し,同社のストリーミングシステムを国内市場で販売することも明らかにしている。Kasennaのプラットフォームは,コンテンツの管理・配信から利用者の認証,課金といった機能を包括的に提供するもの。来日したKasennaのCEO,Mark Gray氏は,「MPEG-1〜4,WindowsMedia,QuickTime,Realなど幅広いストリーミング形式に対応している点がメリットだ」と強調している。これをSGIのサーバやクライアントソフトウェアと組み合わせ,トータルソリューションとして販売するのが戦略だ。「われわれは,広帯域の高速データ配信を保証できるアーキテクチャとハードウェア,リアルタイム機能を備えたソフトウェア製品を業界で唯一提供している。ほかのメーカーにはできないことだ」(和泉氏)。

 ブロードバンド・ソリューションセンターは,SGI「ブロードバンド・プロフェッショナルサービス部」の中核組織という位置付けとなる。本拠は渋谷区内に置き,約100人の体制で3月1日にスタートする予定だ。

 なお,SGIは2月20日より,プライベートショウ「SGI Solution Forum 2001」を開催している。会場は,恵比寿ガーデンプレイスタワー地下1階およびウェスティンホテル東京地下2階のギャラクシールーム。入場は無料だ。

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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