News 2001年2月27日 11:15 PM 更新

インターキュー,社名変更で「脱ISP」をアピール

インターキューは,サーバホスティング事業の2社を買収するとともに,社名を「GMO」に変更すると発表した。

 インターキューは2月27日,レンタルサーバ事業を運営するアイルならびにラピッドサイトの2社を買収すると発表した。株式交換により,両社を100%子会社化することで基本的に合意しているが,買収額は明らかにされていない。また,インターキューは同日,社名を4月1日より「GMO」(Global Media Online)に変更すると発表した。

 ダイヤルQ2事業者としてサービスを開始し,現在はインターネットサービスプロバイダー(ISP)として知られるインターキュー。だが,事業者間の競争激化により接続料金の低価格化を強いられるなか,同社ではこの1年の間にISPを主体とするビジネスモデルから,レンタルサーバ事業やドメインサービス事業を強化し,ISP事業に付加価値を加える形態へと移行しつつある。実際,2000年7〜9月期の売り上げは,接続サービスが61%,サーバホスティング事業が28%,ドメインサービスが10%という構成比率だったが,同年10〜12月期にはそれぞれ,43%,23%,33%とサーバホスティングおよびドメイン事業が大幅に伸びている。

 今回の買収もそうした流れを受けたもので,インターキューでは「マーケティング力が強みのインターキューにとって,アイルとラピッドサイトという技術力を持つ企業が加わるのは大きなメリットがある」と話す。これまで,インターキューには技術職関連の社員が30名しかいなかったが,2社を買収したことでその数が倍増するという。

 レンタルサーバ市場では現在,契約数が減少しつつあるものの,「デスクウィング」(旧称:Hitmail)を運営するクレイフィッシュが圧倒的な強さを誇っている。しかしながらインターキューでは,同社のホスティングサービスと買収した2社の契約件数を合わせると約4万2000件に達し,クレイフィッシュのそれを上回ると強調する。「ISP事業については,メーカー系の大手と戦っても勝ち目がない。ISP事業はシェアよりも利益追求型として展開する。だが,サーバホスティング事業とドメイン事業については,業界ナンバーワンの地位を確固たるものにする。今後も,M&Aなどにより事業規模を拡大させていく計画だ」(インターキュー)

 また一方で,インターキューは「第2の事業ドメイン」(熊谷正寿社長)として,メールマガジン「まぐまぐ」に広告を配信する「まぐクリック」や個人のメールに広告を配信する「クリックメール」など,インターネット広告事業も展開している。今後は,ホスティングやドメイン関連サービスと広告事業を組み合わせた総合的なサービスを展開する方針だが,「その際に,ISPというイメージが強いインターキューという社名はふさわしくない」(同社)と判断。社名を変更することで,世間一般が持つ「ISPのインターキュー」というイメージから脱却を図る考えのようだ。

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[中村琢磨, ITmedia]

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