News 2001年2月28日 11:06 PM 更新

日本ビクター,「ポケットe-movie!」で“世界最軽量”を奪取

日本ビクターが世界最小となる縦型のDVカムコーダーを発表した。SDカードやMPEG-4に対応したほか,USB搭載のドッキングステーションが用意されるなど,PCとの親和性が高い製品となっている。

 日本ビクターは2月28日,DVカムコーダーの新製品「GR-DVP3」(愛称:ポケットe-movie!)を発表した。本体重量は,これまで世界最軽量を謳っていたキヤノン製品よりも50グラム軽い340グラム(バッテリー,DVカセット含まず)。「IXY DVよりもタマゴ1つ分軽い。オプションの2時間バッテリーを付けても世界最軽量のままだ」(日本ビクター)。

 ボディは,ポケットに簡単に出し入れできるよう,凹凸の少ないフラットデザインを基本とし,スライド式のレンズカバーを備えた。基本操作ボタンを本体の背面部に集中させた「イージーセンターコントロール」(同社)により,利き手を選ばずに操作できるのも特徴だ。


凹凸の少ないボディ。レンズカバーは電源とは連動していない

 撮像素子は,インターレースタイプの68万画素1/4型CCD。最新のメガピクセルCCDと比較すると見劣りするが,上位機種である「DV-2000」譲りの「スーパーハイバンドカメラ」技術により,水平解像度は520本を実現している。この技術は,色信号と輝度信号から,通常は記録されない高域の信号成分を取り出すというもの。「同等のCCDを利用する他社製品の水平解像度が480本程度であるのに対し,プラス40本の解像感を提供してくれる。CCDが小さいと感度に不安を持たれるかもしれないが,最低撮影感度もソニー製品を上回る9ルクスとなっている」(同社)。なお,レンズは光学10倍ズームを搭載し,デジタルズームとの併用により200倍までの撮影が可能だ。

MPEG-4をサポート

 最近のDVカムコーダーは,メモリカードの搭載やMPEG-1動画の記録など,PCとの連携を前提に設計されたものが多いが,GR-DVP3は,動画フォーマットにMPEG-4を採用したほか,SDメモリカードスロットやIEEE 1394ポートの搭載,USBポート付きのドッキングステーションなど,PCの周辺機器として求められるインタフェースをほとんど備えた。さらに,SDカード内にMP3ファイルを記録しておけば,撮影時などに効果音やBGMとして挿入することもできる。ただし,本体にはイヤホン端子が装備されておらず,MP3プレーヤーとしては使えない。


SDカードスロットは背面下部にある。USB経由でリーダー/ライターとしても利用可

 ドッキングステーションは別売のキットに含まれるもので,PDAのクレードルライクな使い勝手を提供する。USBポートのほか,S2映像出力,編集端子,ヘッドホン端子を装備しているが,充電はできない。これは,「高い電圧で急速充電を行うためには,本体側に保護回路が必要になるため」(同社)だ。


シューは12ピン。ズーム連動マイクなども利用できる

 撮影できる静止画は,XGA(1024×768ピクセル)とVGA(640×480ピクセル)の2種類。カセットとカードの両方に記録できるが,テープではVGAに限られる(NTSCの限界による)。MPEG-4動画は,160×120ピクセルで1ファイルにつき最大20秒までの記録が可能。USBポートからPCに取り込み,Windows Media Playerなどで再生できる。なお,MPEG-4を採用した理由について,ビクターでは,「携帯電話やシャープのZAURUSなど,小型の端末で対応が進んでいるためだ。ファイル容量の大きなMPEG-1よりも汎用性が高いと判断した」と説明している。

 GR-DVP3の価格は,23万5000円。ACアダプタやドッキングステーション,8MバイトのSDカードなどを含むアクセサリーキット「VU-P3KIT」は2万8000円だ。発売は3月上旬を予定している。

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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