News 2001年3月1日 03:54 PM 更新

Intel,シングルチップソリューションでギガビットイーサネットの普及を推進

米IntelはIDF 2001で,シングルチップでギガビットイーサネットを実現した「Intel 82554EI」を発表。ギガビットイーサ普及の起爆剤だとアピールする。

 米カリフォルニア州サンノゼで開催中の「Intel Developers Forum 2001 Spring」で,米Intelはシングルチップでギガビットイーサネットを実現した「Intel 82554EI」を発表。同社副社長のMark Christensen氏は「かつて100Mbpsのファーストイーサネットがそうであったように,ギガビットイーサネットの普及が急速に進むだろう」と話した。

 Intel 82554EIは,PCI-Xバスに対応したチップ。実装面積の小型化が可能なほか,消費電力は従来のチップセットと比較して50%に抑えられているのが特徴だ。Christensen氏は「サーバにとって,実装面積の小型化と低消費電力は非常に大きな意味を持つ。高密度に配置するサーバでは熱の問題があるからだ」と強調する。また同氏は,ファーストイーサネットでの実績を挙げながら「将来にわたってドライバなどのソフトウェア互換性を100%維持することを保証する。将来のドライバで機能が追加されれば,全て今回の製品でも使えるようになる」と説明した。Intel 82554EIのドライバは,Windows NT/2000/XP,Linux,NetWare,Solaris,ならびにUnixWare版が用意される予定だ。


Intelが発表したシングルチップのギガビットイーサネットボード「Intel 82554EI」

 Intel 82554EIはサンプル出荷を開始した段階で,まだ価格は公表されていない。しかし,従来複数のチップで実現された機能を1チップにシュリンクしたことで,大幅に価格破壊が進むことは想像に難くない。現在のイーサネットは,プロセッサの速度に比較してあまりに低速で,ファーストイーサネットのような急激な普及の波が,ギガビットイーサネットでも起こる可能性は高いと言えるだろう。なおIntelでは,2001年中にギガビットイーサネットの標準搭載が進むと考えており,来年から再来年にかけてはデスクトップPCに,再来年以降にはノートPCにもギガビットイーサネットが搭載されるようになると見込む。

 関係者によると,Intelでは今年,ネットワークや通信インフラへ分野を強化するつもりだという。今回,ギガビットイーサネットをシングルチップ化したのと同じように,得意の半導体技術を活かして価格と性能のアドバンテージをアピールできれば,既存ブランドに対しても十分な競争力を持てるようになると考えているようだ。

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[本田雅一, ITmedia]

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