News 2001年4月25日 10:01 PM 更新

Lモード端末は年内カラー化,手数料は9%――NTT東西がLモードの説明会を開催

NTT東西地域会社がコンテンツプロバイダ向けにLモードの説明会を開催。東京,大阪の会場あわせて1000社以上が参加する盛況ぶり。

 NTT東日本は4月25日,コンテンツプロバイダ向けに「Lモード」の説明会を開催。サービス概要やコンテンツ提供方法などについて説明した。サービス開始時期は明言されなかったが,6月中旬にはスタートするもようだ。


Lモード説明会のもよう。同日,大阪でもNTT西日本が同様の説明会を開催したが,あわせて1000人以上が参加したという。「昨年の説明会では東西あわせて500人程度だったが,マスコミで大きく取り上げられたことで,認知度が上がったようだ」(NTT東日本)

 現在,Lモード対応端末を発表しているのは松下電器産業とNECの2社のみだが(4月20日の記事参照),NTT東日本によれば,トータルでは10社程度が参入する見込みだという。また,NTT東西地域会社は,「INSネット」ユーザー向けに,Lモード対応ターミナルアダプタ,および子機でLモードにアクセスできるコードレスフォンなどを「i・トレンビー」の名称で発売する予定だ。価格や発売日などは未定。

【端末の基本スペック】
種類 Lモード親機 Lモード子機
画面サイズ 4インチ程度 2インチ程度
フォントサイズ 18〜28ピクセル 9〜14ピクセル
表示桁数 全角8文字×6行 48文字以上 全角8文字×6行 48文字以上

 当初,Lモード端末ではモノクロ2階調のGIF画像(最大94×72ピクセル。インタレース,透過GIF,アニメーションGIFには非対応)しか表示できないが,NTT東日本では,「サービス開始段階ではラインアップしないが,256色のGIF画像に対応したカラー端末が年内には登場するだろう」と話す。なお,Lモードコンテンツ用のHTMLファイルは,画像込みで5Kバイトに制限される。記述言語は,CHTMLに「FAX TO」(FAXへの出力)など独自機能を追加した「簡易HTML」を採用している。

手数料はiモードと同じ9%

 Lモードには,iモードの「iメニュー」と同様に,公式コンテンツ的な位置付けの「Lモードメニューコンテンツ」と,直接URLを入力しないとアクセスできない「一般サイト」(iモードでいう“勝手サイト”に相当)の2種類が用意される。メニューコンテンツ,一般サイトともに有料サービスの提供が可能になる見込みだが,その場合,コンテンツプロバイダーは月額利用料として5000円,手数料として売り上げの9%を情報料回収代行手数料として納める必要がある。

 また,Lモードメニューコンテンツを提供するコンテンツプロバイダーは,CGIを利用して利用者識別情報や地域情報,ならびに端末情報を取得することが可能だ。このデータを利用して,特定のユーザーに特定の情報を配信したり,発信地域や端末に応じてデータを設定することなどができるという。

 NTT東日本営業本部担当部長の大賀公子氏によれば,Lモードには,200〜300社のコンテンツプロバイダが参入を計画しているが,「Lモードがなくなると思って,計画を白紙に戻した企業もある。サービス開始時は100社くらいになるのでは」(同氏)という。なお,Lモードメニューコンテンツの受け付けは5月10日より開始されるが,登録は基本的に申請順。NTT東日本では,Lモードメニューコンテンツとして最大1000サイトを考えている。

 「Lモードがiモードのように年間1000万といった急激な増加を見るとは考えにくい。だが,Lモードははやりすたりではなく,じわじわと浸透していくだろう。固定電話機買い替え需要の4分の1は狙えるはずだ。5〜10年で1000〜2000万台の普及を目指す」(大賀氏)

8割のユーザーが市内通話料金で

 ユーザーは,Lモードサービス利用時に必ず「Lモードアクセスポイント」にダイヤルアップすることになる。そのため,アクセスポイントが市内通話圏内になければ,地域によって料金の不均衡が生じるが,NTT東西では全国170カ所に設置する予定で,約8割のユーザーが市内通話料金でサービスを利用できる計算になるという。Lモードの月額料金は200円だが,加えて,アクセスポイントから「Lモードゲートウェイ」の県間接続部分の料金が別途必要になる。なおこの料金は,協力事業者が設定することになる(詳細は4月11日の記事参照)。

 また,ユーザーがLモードを契約する場合,今のところ契約書をNTT東西に郵送する方法しか準備していないが,大賀氏は「サービス開始がのびのびになったことで,その辺りの対応が後手にまわってしまった。近いうちに,Lモード端末を購入した販売店で契約できるようにしたい」と話している。

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[中村琢磨, ITmedia]

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