News 2001年5月15日 11:12 PM 更新

NTTがダークファイバーを大幅値下げ,FTTHが身近に?

NTTがダークファイバーの大幅値下げを発表した。同社は,これによってブロードバンドの普及が見込まれるとしているが,業界の反応は冷ややかだ。

 NTT東西地域会社は5月15日,加入者・中継光ファイバーの心線貸し(ダークファイバー)と地域IP網への接続料金変更を総務大臣に申請した。申請額は,加入者回線(電話局からユーザー宅までのアクセス回線)の月額接続料で1芯あたり5537円。昨年12月26日からの暫定料金である月額7898円と比べると,約2300円の大幅値下げとなるが,業界内では「まだまだ高価」という声のほうが大きい。

 NTTでは,バックボーンに使う中継光ファイバーも,暫定料金の1芯1メートル当たり年額100円から同51.48円とほぼ半額にする。地域IP網への接続料金も,将来原価方式で新たに算定。光ファイバー接続サービスに利用する100Mbpsタイプ(100BASE-TX)は1ポート当たり月額64万9204円とした。NTTでは,今回の値下げにより「他事業者などが低廉な料金で利用できるようになり,ブロードバンドの普及が見込まれる」としている。

やっぱり高価?

 額面通りに受け取れば,大幅な値下げとなる今回の発表だが,業界関係者の反応は冷ややかだ。市場調査会社,DSE戦略マーケティング研究所のITビジネス部プロデューサーである下斗米朝子氏は「まだまだ高価」と指摘する。「例えば,KDDIのようにFTTHサービスを計画中の事業者は,加入者回線が2000〜3000円代になることを期待している。ADSL回線に比較すると,割高感が強い」(下斗米氏)。

 当の事業者も同意見だ。東京めたりっく通信では,「FTTHサービスを行うには,工事/営業などの運用面でADSLよりも遙かに高いコストがかかる。5537円でファイバーを借り受けても,競争力のあるビジネスモデルを構築するのは不可能」と話している。「むしろ,われわれとしては中継回線の値下げを評価している。これでバックボーン整備のペースが上がるだろう」(東京めたりっく通信)。

5537円の根拠は?

 1芯あたり5537円という料金についてNTTでは,「将来原価算定方式で算定することにより,大幅に値下げした」と説明している。しかし,ある事業者は「ダークファイバーがNTTのBフレッツよりも高価では体裁が整わない。このため,その上限で設定された」と指摘する。もちろん,これは,まだまだ値下げの余地があるという意味を含む。なお,NTTが7月に開始するFTTHサービス「Bフレッツ」は,最大10Mbpsの「ファミリータイプ」が月額5000円程度,最大100Mbpsの「ベーシックタイプ」で月額9000円程度になる予定だ。

 DSEの下斗米氏は,今回の値下げが大方の予想よりも早いタイミングだったことを挙げ,加入者回線のさらなる値下げも遠い将来の話ではないという。「3000円台にまで値下がりすれば,CATV事業者なども十分に参入できる。FTTHビジネスの拡大は,その後だろう」(下斗米氏)。

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関連リンク
▼ NTTのニュースリリース
▼ DSE戦略マーケティング研究所

[芹澤隆徳, ITmedia]

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