News 2001年6月7日 06:33 PM 更新

「家庭にはHomeRF」を推すプロキシム

N+Iの会場では,プロキシムがHomeRF 2.0のデモンストレーションを行っている。HomeRF 2.0では,最大10Mbpsの通信が可能だ。

 無線ネットワーク機器ベンダーのプロキシムは,千葉・幕張メッセで開催中のネットワーク関連総合イベント「NetWorld+Ineterop 2001 Tokyo」において,HomeRF 2.0に対応した無線ネットワーク製品のデモンストレーションを行っている。HomeRF 2.0は,現行のHomeRF 1.0の5倍となる最大10Mbpsのデータ通信を実現するのが特徴だ。同規格は,業界団体のHRFWG(HomeRF Working Group)が先月公開したばかりのもの。プロキシムの親会社である米Proximが,米国ラスベガスで開催された「NetWorld+Interop 2001 Las Vegas」でも実演していた。


HomeRF 2.0を利用したストリーミングのデモ。PCカードには外部アンテナが付いている

 現在,オフィスや自宅での無線ネットワーク製品としては,IEEE 802.11bに準拠した製品が普及している。アクセスポイントやクライアントのPCカードの価格が大幅に下落したことなどが要因だが,プロキシムの松本重継社長は「HomeRF 2.0準拠の製品が市場に登場すれば,HomeRFも本格的に普及するはずだ」と強調する。「HomeRF 2.0では,通信速度の高速化に加え,PCやデジタルコードレス電話などを8台まで接続できるようになった。このため,家庭内のネット機器はほとんどHomeRFで接続できるようになる」(同社長)

 松本社長は特に,家庭内ネットワークや集合住宅でのFWA(Fixed Wirless Access)サービスには,直接拡散(DS)方式のIEEE 802.11bよりも,周波数ホッピング(FH)方式のHomeRFのほうが適しているという。「ITマネジャーがいる企業であれば,各社員に周波数の割り当てを行えるので,DS方式でも問題はない。だが家庭では,電子レンジやBluetoothなど2.4GHz帯を使う製品との干渉を考えると,1秒間に数十回ほど異なる周波数へホップするFHのほうがベターだ。多くのユーザーが同時にアクセスする集合住宅でも同様のことが言える」(同社長)


HomeRF2.0にブレイクを期待するプロキシムの 松本重継社長

 米Proximでは,HomeRF 2.0準拠の無線ネットワーク製品を今年9月に出荷する予定。国内では「年末商戦に間に合うように発売する」(松本社長)見込みだ。また,松本社長によれば,HomeRF 2.0の次のバージョンであるHomeRF 3.0では,現在と同じ2.4GHz帯で通信速度が20Mbps+αの仕様や,5GHz帯で通信速度が50M〜60Mbpsの仕様などが検討されているという。

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[中村琢磨, ITmedia]

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