News | 2001年6月7日 10:37 PM 更新 |
情報処理振興事業協会(IPA)は6月7日,2001年5月のコンピュータ不正アクセスの届出状況を発表した。届出件数は,前月から5倍以上増加して107件を記録した。
IPAによれば,不正アクセスが急増した理由は,「sadmind/IIS」(Solaris/Sadmind )が猛威を振るったため。sadmind/IISによる被害は,103件中93件で,届出内容のほとんどを占めている。sadmind/IISは,Soralisベースのシステムに侵入し,そこからセキュリティホールが残されているIIS(Internet Information Server)に攻撃を仕掛けるウイルス(5月9日の記事参照)。IPAでは,情報セキュリティセンターのサイトを通じて,IISにパッチを当てるよう呼びかけていた。
またIPAは同時に,コンピュータウイルスの届出状況も発表した。届出件数は,1515件で前月(1236件)から微増。一方,実際に被害にあったという届出の割合は,前月を1.5%下回り16.5%となった。また,5月初めに広まった「Homepageウイルス」(VBS/Homepage)の届出は71件にとどまっており,それほど大きな被害は出なかったもようだ。
なお,5月で最も届出が多かったウイルスは,「W32/Hybris」で469件。5月に初めて届出があったのは,VBS/Homepageのほか,「W32/Badtrans」が20件,不正アクセス被害急増の原因となったsadmind/IISが7件,ならびに「VBS/Haptime」が3件となっている。
またIPAでは,「sulfnbk.exeというファイルはウイルスなので,削除しなさい」という内容のデマメールが流れていることから,「親切心でこうしたメールを友人などに転送しないこと。まずはワクチンベンダーのWebサイトで情報を確認することが必要」と呼びかけている。
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