News | 2001年6月8日 09:29 PM 更新 |
PC上の操縦画面 でAIBOを自由自在にコントロールできる「AIBO Navigator」が,6月上旬に出荷開始する。この“リモコンAIBO”の発売を待ち望んでいる飼い主は多いことだろう。ロボットを意のままに操りたいという欲求は,昔から子供の(大人も? )憧れだ。古くは鉄人28号やジャイアントロボに始まり,20〜30歳代のガンダム世代はいまだに盛り上がっている人も多い。現在でも,ロボット関連のテレビ番組は実写・アニメを問わず子供達の人気の的だ。
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2周年のアニバーサリーカラーモデルも期間限定で発売 |
1999年5月に登場した自律型エンターテインメントロボットAIBOが“2歳”を迎えるのを記念して発売されたAIBO Navigatorは,PCでAIBOを遠隔操作するソフト。無線LANによる遠隔操作で,AIBOの頭部に搭載されたカメラの画像をPCで見ながら,前進と後進,左右回転を指示できる。また,キックやヘディ ングといった動作もできるので,サッカー対戦も可能だ。音声データ送信や画像キャプチャーによる静止画撮影も可能。まさにロボット操縦の臨場感を楽しめるアプリケーションだ。
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AIBO Navigatorの画面。左側にAIBOが見ている映像が送られてくる。右のAIBOの動作が確認できる |
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キーボードやマウスのほか,ジョイスティックなどコントローラー操作も可能だ |
AIBO Navigatorの価格は1万5000円。もちろん第2世代AIBO(ERS-210)本体がないと始まらないが,そのほかにもAIBO専用無線LANカード「ERA-201D1」(2万円)が必要となる。全て揃えると20万円近くになるが,血統書付の犬をペットショップで買ってもこのぐらいはすると考えれば安いのか。
「ロボットを操縦するかのように操れる」「低い位置からのカメラ撮影」「可愛らしい外見」――これらの機能から,すぐに想像できるのが“盗撮の可能性”だろう。ソニーでも,カメラを搭載した第2世代AIBOの開発当初から,盗撮の可能性は懸念されていたという。
今回,遠隔撮影を可能にするAIBO Navigator開発にあたって,ソニー社内でも盗撮問題が再浮上。AIBOを担当するエンターテインメントロボットカンパニー内に「倫理委員会」を設置するなど,盗撮問題に対して真面目に取り組んだという。
「AIBOのアタマが,ある角度以上に上を向くと,見てはいけないものが見えてしまう」(ソニー)ということで,倫理委員会では,まず盗撮される側のデータを収集。
女性の平均身長の調査から始まり,短いといわれているミニスカートの丈の長さを実際に定規で測って調べ,AIBOの頭部カメラがどの角度までなら大丈夫かをさまざまな角度から調査。その結果,可動角度を最大20度とし,首の位置が20度以上動くようなモーションをしなくてはいけないときは,動画が止まる機構までも装備したという。
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首の可動角度は20度まで。ソナー音で撮影していることを知らせる |
また,動画撮影している際には,必ず音と光を出すことで,存在をアピール。特にソナー音のような発信音を出すことで,人間には警戒感を与える工夫もしている。同様に静止画を撮影する際には,大きめのシャッター音も。
倫理委員会まで設置するなど,紆余曲折の末に出荷のGOサインが出たというAIBO Navigatorだが,開発担当者は「苦労も多かったが,それ以上に遠隔操作でロボットを操縦したいという要望が強かったので,私達もなんとか製品化したかった」と語る。
ちなみに,ハード改造に強いユーザーにかかれば,音を消したり首の可動角度を変更するというのは朝飯前と思われるが,ソニー側の返事は「改造は,できないことになっている」とのこと。
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