News 2001年6月25日 05:08 PM 更新

国内インターネットユーザーは2001年末に3628万人に――インプレスが「インターネット白書 2001」発行

インプレスが「インターネット白書 2001」を発行する。国内インターネットユーザーは約1326万人増加して3263万6000人になった。

 インプレスは6月25日,「インターネット白書 2001」を発行すると発表した。インターネット動向の定点観測を目的として1996年に発行して以来,今回で6回目となる。調査は,アクセス メディア インターナショナル(AIM)と共同で行い,インターネット協会が監修した。6月29日発売。価格は4800円。

 インターネット白書 2001によれば,2001年2月末時点での国内インターネットユーザーは3263万6000人。昨年2月の1937万7000人から,この1年で約1326万人増加したことになる。さらに,同白書では2001年末には3628万人に達する見込みだとしている。特徴的なのは,携帯電話/PHSのみでインターネットを利用しているユーザーが,昨年2月の3万人から652万人へと激増している点。特に,「NTTドコモが20x系にiモードを搭載して以来,急激な伸びを示した」(インプレス)という。ただ,iモードの場合,必ずiモードゲートウェイを通る必要があるため,完全なインターネットとは呼べず,その利用者をインターネット人口に含めるのに疑問を呈する向きもある。

 また,利用機器別に見ると,重複回答を含んではいるものの,携帯電話利用世帯の割合(61%)が自宅でPCを利用している世帯(59.1%)をわずかながら上回る結果となった。もちろん,携帯電話だけでインターネットを利用しているユーザーが,自宅からPCでネットにアクセスしているユーザーを上回ったことを意味するものではないが,インプレスでは「今年のインターネット利用動向を象徴するものだ」としている。

 性別で見ると,インターネットユーザーにおける女性比率が増加傾向にあることが分かった。昨年27.9%だった女性ユーザーの割合は,38.8%に増加。特に10代〜30代女性の躍進が目立ち,各年代で比率が4割を超えている。「今後も女性ユーザーは増加すると見られ,若年層では2人に1人が女性ということになるだろう」(インプレス)。

1年以内にADSLとCATVのユーザー数が逆転

 インターネット接続環境では,依然としてダイヤルアップ接続(アナログモデム,ISDN)が78.7%と主流。ただし,NTT東西地域会社が「フレッツ・ADSL」サービスを開始して以来,ADSLユーザーが急増しており,利用者の割合は昨年の0.1%から0.8%に増加した。さらに同白書では今後1年以内に,ADSLユーザーの割合は10.7%まで増えると予測している。一方,CATVインターネット利用者の割合は,昨年の3.2%から8%増えた。着実に成長しているものの,同白書ではADSLの普及に押され,1年後にはADSLとCATVインターネットの普及率で逆転現象が起こるとしている。

 「現在,国内のDSLユーザーは18万人程度だが,Yahoo! BBの申し込み者数からすると,近いうちに40万人にはなるだろう。まだ韓国に比べると人口普及率は大きく遅れているが,2001年にはADSLユーザーが劇的に増えることになるだろう」(インターネット協会の岡田智雄会長)。

 また同白書によれば,常時接続サービスを利用する場合の適正料金としては,3000円以下が24.8%,2000円以下が25.2%,1000円以下が18.6%となっており,3000円以下を望む声が7割近くを占めた。なお,これは常時接続サービスについて調査したものであり,必ずしもブロードバンドである必要はないという前提がある。

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[中村琢磨, ITmedia]

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