News 2001年6月26日 06:49 PM 更新

SCSやTTNetなど4社,光ファイバーによる“分散統合型”データセンターの運用実験

実験では,3カ所のデータセンターを最大10Gbpsで接続し,論理的に1つのデータセンターとして運用。分散統合型インターネットデータセンターの実用化を目指す。

 住商情報システム(SCS),東京通信ネットワーク(TTNet),アールワークス,ならびに日立製作所の4社は6月26日,光ファイバーを利用したデータセンター間の高速接続実験運用を実施すると発表した。光ファイバーの容量は最大10Gbpsで,4社によればデータセンター間をこの速度で接続するのは国内初だという。各社のデータセンターを高速接続し,論理的に1つのデータセンターとして運用する「分散統合型インターネットデータセンター(iDC)」の実用化を目指す。

 実験運用では,SCSの東京第1(亀戸)・東京第2(船堀)センターならびにアールワークスのデータセンター(池袋)の3カ所をTTNetの光ファイバー網で相互接続する。接続速度は,東京第1・2センターとアールワークスデータセンターの間が100Mbps。東京第1センターと東京第2センターの間が10Gbpsとなる。運用実験の具体的な内容は,1)東京第1センターに設置する日立のブロードバンド向け大容量ストレージ「SANRISE2800」を各データセンター間で共有する,2)各センターのネットワークやサーバのバックアップや障害監視などを相互に行う,3)ネットワーク障害時でもノンストップで運用するなど。

 4社では分散統合型iDCについて,データセンター事業各社がそれぞれの得意分野に特化することで,「大手センターやメーカー系センターに対抗することができる」と話す。また,各社の設備を共有することでサービスの低価格化が可能なほか,機能を分散させることで情報管理や運用管理が容易になるとしている。

 なおSCSは,今年10月にデータセンター間を光ファイバーで接続する分散統合型iDCの「netXDC」を稼動させる予定で,今回の運用実験を同データセンター実現のための中核技術検証の場と位置付けている。

関連リンク
▼ 住友情報システム
▼ 東京通信ネットワーク
▼ アールワークス
▼ 日立製作所

[ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.