News | 2001年6月27日 01:23 PM 更新 |
カシオ計算機は6月26日からニューヨークで開催中の「TECHXNY」で,組み込み用Windows CE 3.0をカーネルとして独自のユーザーインタフェースーフェイスやアプリケーションを実装したPDA「BE-300」(昨日のMobile記事参照)を参考出展した。米国での発売は9月,日本でも1カ月遅れで発売するスケジュールとのことだ。
BE-300はカーネルにWindows CEを用いているものの,それ以外の点でPocket PCと共通する部分は少ない。例えばBE-300のソフトウェアは,フラッシュメモリからRAMに読み出してから実行するようになっているという。このため,高速なVR4131/166MHzとの組み合わせでハイレスポンスな操作性を実現。MP3やMPEG4再生もソフトウェアで行える。メモリはフラッシュメモリ,RAMともに16Mバイトだが,日本語版では増加する可能性が高い。なお,ユーザーデータはフラッシュメモリ側に保存するため,バッテリ切れでデータが失われる危険性はない。
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「BE-300」は独自のユーザーインタフェースやアプリを実装したPDA |
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サイズもコンパクトフラッシュスロット内蔵PDAとしてはコンパクト |
拡張スロットとしてコンパクトフラッシュTYPE IIを備えるほか,iPAQにも似たジャケットを装着することでサブバッテリ付きPCカードスロットを増設することも可能だ。
PCとの連携ももちろんサポートするが,製品に添付されるのはOutlookとの同期をサポートするバージョンのみ。ただし,Puma TechnologiesのIntelliSyncを同期エンジンとして採用しているため,IntelliSyncで利用できる他のPIMとの連携もオプショナルで可能になる予定だ。
BE-300上で動作するアプリケーションは,いずれも非常に軽快で使いやすい。電子メールソフトはPOP3メールをサポート。Webブラウザはフレーム表示も行える独自開発のものだ。Pocket Officeは装備されないが,Word,Excel,PowerPointのビューワが組み込まれている。
ただし,描画周りのAPIが独自になるためアプリケーションは専用のものが必要で,Pocket PC用アプリケーションは動作しない。ベースとなるAPIはWIN32だが,組み込み型Windows CEにはない機能は,カシオ製のライブラリを読み出す形になるからだ。しかしカシオによると,既に何社かがBE-300用アプリケーションを提供することになっているという。なお,SDKは無償配布される。
スクリーンの解像度は240×320ピクセル,3万2000色のSTN液晶パネル。サイズもコンパクトフラッシュスロット内蔵PDAとしてはコンパクトで,121×76×17.9ミリに収まっている。重さも167グラムとなかなか軽量だ。
米国では299ドルでの販売を予定しており,日本でもそれに準ずる価格になる。「Pocket PCほど何でもできるPDAは不要だが,PIMや電子メール,Webブラウザなどが動作する軽快かつパワフルなPDAが欲しい」という,Pocket PCやPalm OS搭載機とは異なるユーザー層を狙う意欲的な製品だ。
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