News 2001年7月17日 10:35 PM 更新

VGA画面の韓国製PDAが今秋にも発売

日本最大のモバイル専門展で,ひときわ来場者の注目を集めていたのが,謎の韓国製PDAだ。重量260グラムで画面表示はVGAと,かなり面白い仕様になっている。

 東京・ビッグサイトで7月17日から開催されている「2001モバイルインターネット・ソリューション展」(WIRELESS JAPAN)の会場で,韓国製PDAが来場者の注目を集めていた。人だかりができていたのは,サイバーバンクジャパンのブース。順番待ちの列まで作っていた来場者の“お目当て”は,VGA画面を搭載したPDA「PC-EPhone」だ。


韓国製PDA「PC-EPhone」。VGA表示を実現している

 PC-EPhoneは,タッチパネル式4インチTFT液晶ディスプレイを採用し,256色表示が可能な640×480ピクセルの解像度を実現している。4インチにVGAの解像度を実現しているため画素密度が高く,タッチパネルながらも明るく見やすい画面が印象的だ。VGA表示のおかげで,Web表示の一覧性が向上している。WebブラウザにはIE4.0を採用した。

 CPUにiPAQと同じStrongARM(SA-1110/206MHz)を使い,32MバイトのRAMと32MバイトのROMを装備する。OSはWindows CE3.0を採用している。サイズは103(幅)×130(奥行き)×23(厚さ)ミリ,重さ260グラムとVGAマシンにしては軽量小型の本体を実現している。


手に持つと意外とコンパクトなボディ。スタイラスペンで入力する

 野球のベースのような形で,PalmやPocket PCのようなPDAと比べるとやや大きい印象を受けるが,手に持ってみると軽いボディのせいか,大きさを感じさせない。同じCPUを搭載したiPAQが,ジャケットを装着して約250グラムなのを考えると,VGAの画面の分だけPC-EPhoneの方が使い勝手がよさそうだ。ディスプレイ下部にプリントされたキーボードをタッチすることで入力を実現するハードキー方式のほか,画面上でソフト的に処理するソフトキー方式の2系統の入力方式をサポートしている。

 サイバーバンクジャパンは,韓国のベンチャー企業CYBERBANKの日本法人。米国のCESやPC EXPOといった展示会で紹介されたことはあるが,「日本では初お目見え」(同社)というこのPC-EPhoneは,本国では韓国SK Telecomから,CDMA方式の携帯電話が内蔵された形で今年4月から発売されている。


韓国SK Telecom発売モデル。携帯電話用アンテナが装備されているが,ボタンの数が日本モデルより少ない

 日本モデルでは,携帯電話機能は外されて,替わりにTYPE IIのCFカードスロットを装備し,CFカードタイプの通信デバイスを利用できるようになっている。同社では,DDIポケットのCard H”を推奨しており,PC-EPhoneとCard H”64petitとのセット販売を提案していくという。

 CFカードスロット搭載のほかに,日本語入力機能が強化されているのが日本モデルの特徴だ。日本語変換エンジンは,手書き入力機能が追加されたATOK PocketをROMで搭載している。変換効率で定評のあるATOKが,ソフトキーボードだけでなく手書きにも対応したことで「タッチパネル方式でもスムーズな日本語入力を実現できる」(同社)という。

 インタフェースとしては,USBやIrDAをサポートしており,韓国モデルではUSBを介してキーボードの接続も可能となっている。「日本モデルでのUSB外付けキーボード採用は未定」(同社)。

 気になる日本での発売だが「今年10月の発売を目指しており,標準価格は6万4800円を予定している」とのこと。ちなみに韓国モデルは10万円前後で売られているという。携帯電話機能を省いているとはいえ,スペックなどを考えても,かなりリーズナブルな価格設定だ。「日本では普及を狙って,かなり戦略的な価格をつけている。当面は法人向けを中心に考えており,販売ルートとしては代理店経由やWebでの直販を予定している。ただWebでは,コンシューマ向けにも販売する方針。個人ユーザーからの要望が多ければ,PCショップや量販店での販売も検討したい」(同社)。

関連リンク
▼ CYBERBANK
▼ サイバーバンクジャパン(ホームページ開設は,7月20日以降)

[西坂真人, ITmedia]

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