News 2001年8月7日 11:59 PM 更新

デジカメ画像でTシャツを「染め」てみませんか?

独自の染色技術で従来にはない耐久性と風合いを実現したデジタルプリンティング技術を,全国のDPE店やカメラショップで展開していく事業が発表された。

 Tシャツやトレーナーに写真を転写するというDPE店のサービスは,それほど目新しいものではない。だが,その割に,使ったという人をあまり見かけたことがないだろう。それには現状のサービスにいろいろな問題があるからだが,今回,この問題点を改善し,強力に普及させていこうという趣旨の発表が行われた。

 この発表に集まったのは7社――フジカラーサービス,フジカラー販売,富士フィルムビジネスサプライの富士写真フィルムグループ3社と,関西圏でカメラショップを展開するナニワ商会,印刷会社のインフォビジョン,日立製作所,そしてベンチャー企業のディー・ファッションという顔ぶれだ。


7社の社長・幹部がずらりと並んだ発表会

 プロジェクトの中心となるのはベンチャー企業のディー・ファッションで,同社は着物の絞り染めで培った染色技術を応用,写真やデジカメの画像をTシャツやトレーナーといった繊維製品へ印刷する,独自の「デジタルプリンティング」という技術を持っている。

 「従来の方法とは違う“染色”という技術を応用しているので,転写ではなく“染着”と呼んでいる。従来製品にはない耐久性と柔らかさ,風合いのデジタルプリンティングを実現している」(ディー・ファッション)。

 「繊維に印刷する際に糊で固める従来の方法では,仕上がりがゴワゴワして耐久性もなく,数回の洗濯ですぐに剥がれてきてしまう」(ナニワ商会)というのが,これまでの衣類へのプリンティングサービスの品質的な欠点だったが,それもこれで克服されるわけだ。


染色によるデジタルプリンティングを実現したTシャツ
 一方,従来のサービスには取り扱い窓口の少なさや,納期の遅さといった問題もあった。これにはこの日集まった7社が受注から部品調達,製造,販売までを一体化させたシステムを構築,対応することになる。たとえば,現在1週間以上かかっている商品納期は,最短で中2日にすることが可能になるという。


デジタルプリンティングの流れ(拡大画像

 「第1弾はTシャツからだが,今後はシャツやトレーナーといったその他の衣料品にも対応するほか,トートバッグやクッションといった布製品にも展開していく」(ディー・ファッションの一筆芳巳社長)。

 今はまだほとんど普及していないといえる衣類へのプリンティングサービスだが,デジカメで撮った画像を何らかの形で残したいというニーズはある。ようやくそのニーズに対応できるサービスを提供できるとあって,「3年から4年の間に,年間1500億円の市場に育てていく」と,同社長の鼻息は荒かった。

関連リンク
▼ ディー・ファッション
▼ フジカラー販売
▼ フジカラーサービス
▼ ナニワ商会
▼ 富士フィルムビジネスサプライ
▼ 日立製作所
▼ インフォビジョン

[西坂真人, ITmedia]

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