News 2001年8月24日 01:00 PM 更新

キヤノン,EOSの血を引くG1後継機「PowerShot G2」を発表

キヤノンがハイアマチュア向けのフラッグシップモデルを発表した。EOSゆずりの操作性がウリだった前モデルのコンセプトを継承しつつ,機能アップを図っている。

 キヤノンは8月24日,コンパクトデジタルカメラの最上位モデルとなる「PowerShot G2」を発表した。

 ISO50を含む感度設定など,豊富なマニュアル設定が可能なほか,12種類の撮影モードを搭載。プロにも愛用者が多い同社の銀塩一眼レフ「EOSシリーズ」譲りの操作性で,「ハイアマチュアの要望を満足させる」(同社)製品だ。価格は11万5000円。9月中旬の発売を予定している。


中上級者向けコンパクトデジタルカメラ「PowerShot G1」

 PowerShot G2は,1/1.8型の400万画素CCDと,35ミリフィルム換算で34〜102ミリの3倍ズームレンズを標準搭載している。ボディデザインはスクエアタイプの銀塩カメラ風だったG1から基本的なスタイルは変わっていない。

 ただ,ホールド性を向上させるためか,背面の曲線が増え,グリップ形状になっている。「G1の無骨さが好き」というユーザーも少なくなかっただけに,この全体的にやや丸みを帯びたデザインには,評価が分かれるかもしれない。ボディカラーも,シルバーグレーからシャンパンゴールドに変更されている。


全体的に丸みを帯びたボディに変更

 同社によれば,G2の製品コンセプトは「ライバルは一眼レフカメラ」であり,一眼レフに匹敵する豊富なマニュアル撮影機能が用意されている。

 例えば,撮影モードは,細かな撮影条件を設定できる「プログラム」をはじめ,「パンフォーカス」「ポートレート」など12種類から選択可能で,ISO感度も50から400まで4段階の設定ができる。明るい被写体では低感度にすることでノイズの少ない画質が得られ,暗い場所ならISOを400に設定すれば手振れを抑えた撮影が可能だ。もちろんオートにも設定できる。

 距離計がついたマニュアルフォーカス機能は,ファインダー内に目安の距離を表示することが可能だ。また画面中央部を拡大して表示できるので,より細かなピント合わせができる。「ファインダーを見ながら距離やピントを合わせられるので。精度の高いマクロ撮影が可能」(同社)。ヒストグラム表示や3点の測距点が選択可能なAF方式を採用している。

 さらにマクロリングライト(MR-14EX)にも対応。マクロ撮影時のストロボ使用において,デリケートな配光を可能にし,「歯医者など業務用途にも使える」(同社)。

 優れた光学性能は,前モデルのG1から継承しているものだ。レンズにはEOS・EF譲りのF2.0 大口径比レンズを使い,色再現性に優れた原色フィルターを新たに採用している。

 加えて,一眼レフデジカメ「EOS D30」で採用した映像エンジンをさらに進化させたデジタル信号処理ICを搭載,高速処理や画質改善はもちろん,消費電力の低減も図っている。

 ホワイトバランスはオート/マニュアルに加え,太陽光/くもり/電球/蛍光灯/蛍光灯H/ストロボの6つのポジションを選べる。マニュアル操作も可能だ。

 EOSの操作性を継承したダイヤル式のモード切り替えは,各種モード変更や撮影/再生の切り替えが直感的に操作できる。

 右手で主な操作ができるように,ボタン類は右側に集中している。また,使用頻度の高い露出補正やホワイトバランス設定などはワンボタンで設定できる。「ダイヤルやズームレバーは,前モデルより高級感のあるタイプに変更した」(同社)。ホットシューも装備しており,EOS用のフラッシュ(EXスピードライト220/380/420/550EX)を使うことができる。


直感的に操作できるEOSゆずりのダイヤル式モード切り替え

 G1でも好評だった連写機能はさらに強化されており,高速モードでは毎秒2.5枚の撮影が可能だ。シャッターを1回押しただけで,最大5枚の連写ができる。

 シャッター速度は,高速1/1000秒から,最大15秒までの長時間露光が可能。1.3秒以上のスローシャッター時にノイズリダクション機能が作動し,長時間露光時のノイズの発生を抑える。「夕景や夜景の撮影で,ノイズの無いクリアな画質が得られる」(同社)。

 バッテリはリチウムイオン充電池を採用。同梱されているBP-511は,1世代前の同社DVカメラシリーズで使われていたものだ。現在,発売されているDVカメラ(撮レビアンシリーズなど)は,BP-512というバッテリーに変わっているが,G2はこれにも対応している。80分で充電が完了し,再生時間は最大300分,液晶ONで最大400枚の撮影が可能だ。

 主な仕様は以下の通り。

製品名 PowerShot G2
撮像素子 1/1.8型約400万画素CCD(総画素数413万画素)
レンズ 7〜21mm(35mmフィルム換算で34〜102mm),F2.0〜2.5
ズーム 光学3倍,デジタル3.6倍
シャッター速度 15〜1/1000秒
感度設定 オート/ISO 50/100/200/400
液晶ディスプレイ 1.8型低温ポリシリコンTFT
画像フォーマット JPEG,CCD-RAW,AVI(動画)
記録画素数 静止画:2272×1704/1600×1200/1024×768/640×480ピクセル,動画:320×240ピクセル/160×120
記録メディア コンパクトフラッシュ(TYPE II対応,32Mバイトタイプ同梱)
電源 リチウムイオン充電池(同梱:BP-511,別売り:BP-512)
本体サイズ 120.9(幅)×76.6(高さ)×63.8(奥行き)ミリ
重量 約425グラム
価格 11万5000円

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[西坂真人, ITmedia]

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