News | 2001年8月28日 01:45 AM 更新 |
Pentium 4プロセッサ搭載PCの拡販に向け,インテルが攻勢をかける。8月28日に発表されたPentium 4/2GHzの価格は,1000個ロット時で7万6030円,1.9GHz版は4万7130円だ。両プロセッサとも,既に出荷が開始されている。
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今回発表された2GHz,ならびに1.9GHz版のPentium 4(左)は,478ピンの「mPGA478」と呼ばれる新しいパッケージを採用している。サイズは35平方ミリで従来の423ピンのパッケージ(右,53.3平方ミリ)に比べコンパクト。ピン長は2ミリ,ピッチは1.27ミリ |
さすがにハイエンドの2GHz版は高価だが,1.9GHz版の価格は1.7GHz版リリース時のそれと大差ない。その1.7GHz版も,リリース時には戦略的な価格設定(1000個ロット時で4万2570円)から“大バーゲン”と呼ばれたりもしたが,今回の1.9GHz版はまさに“出血大サービス”といったところだ。これは,Pentium 4プロセッサを普及価格帯に引き下げようというインテルの強い意志の現れだろう。
また,1.9GHz版と1.7GHz版は価格差がわずかであることから,近日中に従来製品の大幅な値下げが行われるものと思われる。
「2001年下半期にPentium IIIプロセッサを引退させ,Pentium 4へ移行する」――。Pentium 4プロセッサ登場以来,インテルが何度も繰り返してきた言葉だ。インテルのデスクトップ向けプロセッサロードマップでは,確かに2001年下半期にはPentium 4プロセッサが主流になっている。だが,だからといって,Pentium IIIプロセッサがすぐになくなるわけではない。
インテルでは,デスクトップ市場を「パフォーマンス」(システム価格が1500ドル以上),「メインストリーム」(システム価格が1499ドル〜800ドル),「バリュー」(システム価格が799ドル〜600ドル)の3つの市場に分類。メインストリームならびにバリューは,さらにその中で3段階に分けられている。
今回発表されたPentium 4/2GHzはパフォーマンス市場に,1.9GHz版はメインストリームの最上位に位置する。Pentium IIIプロセッサは,クロック数が1GHzオーバーのものだけが,メインストリームの一番下のレベルに残る。また,バリュー市場では,Celeronプロセッサを強化。1GHz〜800MHzというラインアップになる。
Pentium IIIプロセッサが市場から完全に姿を消すのは,2002年上半期になってから。パフォーマンス市場に位置付けられていたPentium 4/2GHzがメインストリーム市場もカバーするようになり,メインストリーム市場のローエンドには,Pentium 4/1.6GHzが降りてくる。
なお,0.18μmプロセスで製造されるPentium 4プロセッサは2GHz版で最後だ。今後は,0.13μmプロセスに移行し,さらなるクロックアップが図られる。
この“P4メインストリーム作戦”を支えるのが,間もなく出荷が予定されているPentium 4向けの新しいチップセット「Intel 845」である。「Brookdale」のコードネームで知られる845チップセットは,既存のPentium 4対応チップセット「Intel 850」が採用するRDRAMに比べて安価なSDRAMをサポート。システム価格の引き下げに貢献する。さらに,「設計が容易で,マザーボードの製造コスト削減が可能」(インテル)というメリットもある。
しかしながら,850チップセットに比べ,845チップセットではメモリのバンド幅が狭くなる。850ではMCHとRDRAMの間がデュアルチャネルで3.2Gバイト/秒の帯域があるのに対し,845チップセットのMCHとPC133 SDRAMの間は,シングルチャネルで1.06Gバイト/秒の帯域しかないからだ。当然,これはパフォーマンスに響いてくる。