News 2001年8月30日 05:20 PM 更新

I/Oはシリアルに向かう――PC高速化を支える3つの技術

Intel副社長のLouis Burns氏は,IDFの2日目,PCプラットフォームの将来について講演した。同氏はプロセッサ高速化に対応したI/Oの高速化が今後,不可欠だとし,シリアル転送方式の3つのI/O技術が,それを支えるものだと語った。

 Intel Developer Forum Fall 2001の2日目,Intel副社長のLouis Burns氏が,PCのプラットフォーム技術の将来に関する基調講演を行った。

 同氏はプロセッサ速度の向上と共に,それに見合ったI/O性能が要求されるようになってきていると語り,3つの分野でのI/O高速化技術を紹介した。


シリアルATA用のケーブルを掲げるLouis Burns氏

 1つめはPCI 3.0のレポートでも紹介した3GIOで,既報の通り2002年には正式な仕様がリリースされる8月28日の記事。3GIOはデバイス同士がピアツーピアで20GHzのサイクルで通信を行うシリアル転送技術で,プロトコルなどアーキテクチャや仕様案はほぼ完成しているという。

 もう1つは長らく登場が待たれているUSB 2.0だ。

 USB 2.0は本来ならば,現在はi830用のI/Oコントロールハブとして使われているICH3でサポートされる予定だったが,最終的には正式サポートされなかった。従来の40倍の速度を実現するUSB 2.0に対する業界の期待は大きいが,チップセットへの統合は来年の前半,ICH4の登場を待たなければならない。

 基調講演では,USB 2.0対応カメラとUSB 2.0ホストコントローラ内蔵チップセットによるデモンストレーションが行われた。だが,コントローラ内蔵チップセットが登場するまでの間は,外付けのチップもしくは拡張ボードでしか利用できないため,普及は来年の後半以降にずれ込むことになりそうだ。


デモンストレーションではUSB2を内蔵したチップセットを搭載するNorthwood用マザーボードも公開

 最後のSerial ATAは,高速化とシリアル化が行われた,新しいATAハードディスクの接続インターフェイス規格だ。その最初の製品は毎秒1.5Gビットの帯域を持ち,将来的にはその2倍,あるいは4倍といった高速化も予定されている。現在,動作検証をハードディスクベンダーと共に進めている段階で,本日,最終仕様がリリースされた。USB 2.0と同じく,来年前半に製品が出荷される見込みだ。

 このほか,基調講演とは別に行われたセッションでは,グラフィック専用ポートのAGPが,将来的に3GIOを応用したSerial AGPへと発展することが明らかになっている。3GIOはチップセットの内部接続や拡張ボードの接続,ドッキングステーションとの接続などにも利用されることから,PCのI/Oはあらゆる分野でシリアル化が進むことになる。

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[本田雅一, ITmedia]

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