News 2001年8月31日 10:49 AM 更新

Intel,IA-64にマルチスレッディングやマルチチップモジュールを導入

IntelはIDF 2001最終日の基調講演で,先日Xeonでの採用が発表されたマルチスレッディング技術や,1つのパッケージに複数のプロセッサコアを封入する技術を,IA-64プロセッサに導入する計画を明らかにした。

 Intelは,Fosterで採用されることが明らかになったマルチスレッディング(SMT)技術を,将来のIA-64ファミリにも導入することを明らかにした。

 米国サンノゼで開催されているIntel Developer Forum Fall 2001の最終日,「ミスターIA-64」の別名を持つエンタープライズプロセッサ事業部長兼インテルアーキテクチャグループ副社長のGadi Singer氏が,その基調講演の中で述べたものだ。


最終日の基調講演を行った「ミスターIA-64」Gadi Singer氏

 同社はまた,複数のプロセッサコアを1つのパッケージに封入する技術も採用する予定。これらにより,プロセッサ単体の並列処理の度合いを高め,サーバに要求される高負荷に対応する。

 サーバの分野では,データベースサーバなどのバックエンドサーバに求められるスケールアップと,Webサーバに求められるスケールアウトという,2種類のスケーラビリティが求められている。

 スケールアウトの方向には,Intelは,超低電圧版モバイルPentium IIIを応用した高密度サーバのソリューションを提供している。また,ハイエンドのバックエンドサーバとの中間には,コストパフォーマンスの高いXeonプロセッサを用意しており,今回のIDFでは,次世代のXeonプロセッサとなるFosterで,Hyper-ThreadingというSMT技術が組み込まれることが発表されていた。

 対してItaniumブランドで販売されている64ビットのIA-64プロセッサについては,スケールアップが要求されるハイエンドのバックエンドサーバ向けソリューションとして,マルチプロセッサ時の高いスケーラビリティと,プロセッサ単体での高性能を提供していく方針だ。このため同社では,新技術を次々導入し,性能を飛躍的に高めるため,当面,毎年新しいIA-64プロセッサを投入していく。

 2002年はじめには大幅な機能強化と1GHzのクロック周波数などを実現したMcKinley搭載サーバが登場し,その翌年にはMcKinleyと同じチップセットやバスアーキテクチャを持ち,3次キャッシュメモリとして6Mバイトをプロセッサダイに統合したMadisonが投入される。

 そして,その後のプロセッサでは,Fosterと同様のマルチスレッディング技術や,ひとつのパッケージに複数のプロセッサダイを封入するマルチダイ,ひとつのダイに複数のプロセッサを配置するマルチコアといった技術を導入していく。

 これらの技術は,毎年のアップデートで組み込まれる予定で,高度な分析アプリケーションや急激に増加するインターネットトラフィックに対応する。

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[本田雅一, ITmedia]

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