News	2001年9月10日　10:06 PM 更新

マイクロソフト，毛筆印刷/はがき作成ソフトで初心者向け機能を大幅強化

マイクロソフトは毛筆印刷/はがき作成ソフト「はがきスタジオ」で，初心者向け機能を大幅強化した新製品を発表した。スマートタグに似た「アクションタグ」機能や，宛名書きで正しい書式に自動調整する「宛名レイアウト自動配置」機能などが新規サポートされている。

　マイクロソフトは9月10日，毛筆印刷/はがき作成ソフト「はがきスタジオ Version 2002」を発表した。10月19日発売で，CD-ROM版とDVD-ROM版の2種類が用意される。両パッケージとも，価格は4800円。

　新製品では，従来シリーズの製品コンセプトである「速い」「簡単」「美しい」に，「つまずかない」というキーワードが追加された。つまり，新製品では初心者を意識した機能の強化が特徴となっている。

毛筆印刷/はがき作成ソフト「はがきスタジオ Version 2002」

　そのなかでも最も注目されるのは，「アクションタグ」という機能。これは，Office XPで採用されたスマートタグに似たもので，選択した画像やテキストに関連した機能が，メニューとして表示されるというものだ。

　例えば，テンプレートにあるデフォルトのイラストを別のものに変更したい場合，そのイラストをクリックすると「アクション」というボタンが表示される。これがアクションタグで，これをさらにクリックするとイラストに関連した機能だけを集めたメニューがプルダウンされる。

スマートタグに似た「アクションタグ」

　アクションタグを使うことで，ユーザー自身がわざわざ多くのメニューから目的のメニューを探し出す必要がなくなる。機能があまりに多すぎて，どれを使ったらよいのか分からないという初心者ユーザーはもちろんのこと，操作に慣れたユーザーにとっても便利な機能だ。

　また，書家の中本白洲氏監修の「宛名レイアウト自動配置」という機能も，ユニークだ。

　楷書での宛名書き機能は，はがきソフトでは定番だが，宛名を書くときのマナーを無視した書式で印刷してしまうソフトが意外と多い。例えば，連名の場合は先頭の人の名前が引き立つように整列させたり，住所の下辺の位置は敬称の下辺よりも上げなくてはいけないなど，宛名書きのマナーは意外と奥が深いのだ。

　このように，住所/会社名/氏名の配置から連名のバランス，姓と名の空白や文字の大きさまで，宛名書きの正しい書式に基づいたレイアウトを自動的に調整してくれる（個人的には，宛名書きぐらい手書きで，と思うのだが……）。

宛名書きのマナーに基づいたレイアウトが自動で行える「宛名レイアウト自動配置」

　画面に表示されたものを対話形式で選んでいくだけでデザインが作れる「はがきスタジオナビ」も，前作から受け継いだ人気の機能だ。例えば，写真付き年賀状なら「おすすめショートカット」「写真」「テンプレート選択」「名前（ファイル名）を付ける」「挿入する画像を選択」という“5クリック”で完成する。

　さらに，画像レタッチソフト「Picture It! Express 2002」が同梱されており，貼り付けた画像の編集・加工が行える。アクションタグに「Picture It!で加工します」というメニューが現れてクリック1つで起動できるほか，画像編集終了後には「はがきスタジオに戻る」という項目がファイルメニューに現れるなど，はがきスタジオと連携した動作も同じシリーズならではの特徴だ。

　そのほか，Outlook98/2000/2002（XP）の住所録が直接編集できるほか，6200点のクリップアート集や964点のテンプレート，大きな字で図版を多用した分かりやすいマニュアル，印刷時のトラブル30項目を事前にチェックする印刷エラーチェック機能を搭載する。

　郵政事業庁の発表によると，平成14年用お年玉付き年賀はがき（50円無地タイプ）の発行枚数は34億2670万枚となり，そのうちインクジェット紙が10億8746万4000枚と昨年に比べて64.3％も増えている。このように，PCを使った年賀状作成需要は年々高まっている。

　このPC年賀状の需要と比例して，はがきソフトの市場も拡大しているようだ。同社の調べによると，2000年のはがきソフト出荷本数は前年比12％増となっている。

　市場の広がりと共に，初心者ユーザーが，はがきソフトを利用するケースも増えている。「初めて使うソフトが“はがきソフト”というユーザーも多い」（同社）というから，驚きだ。

　この手のソフトは，既存ユーザーの買い替えを促進する「バージョンアップ版」をリリースするのが通例だが，「昨年，初心者ユーザーが間違えて新規でバージョンアップ版を購入してしまうケースが多発した」（同社）。このことからも，初心者ユーザーの増加ぶりがうかがえる。

　ちなみに今回は，バージョンアップ版発売を止め，既存ユーザーの買い替えに対しては1500円のキャッシュバックでバージョンアップ版の代替を行っている。

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