News 2001年9月17日 11:59 PM 更新

GIML,デジタル機器に応用できるセキュリティ要素技術

グローバル・インターテック・マーケッティング・リミテッド(GIML)は,PCや各種OA機器,デジタル家電,通信機器などに幅広く応用できるセキュリティ要素技術を発表した。

 グローバル・インターテック・マーケッティング・リミテッド(GIML)は9月17日,セキュリティのための要素技術として「ドキュメント・ロック」「乱数発生装置」「磁気指紋」「CD/DVD Lock」という4つのソリューションを発表した。

同社では,デジタル情報セキュリティ技術開発を推進している大手企業とパートナーを組んで,この要素技術を盛り込んだ製品開発を積極的にサポート。セキュリティ技術のデファクトスタンダードを目指していくという。

 ドキュメント・ロックは,テキストや画像データといったドキュメントに,電子透かしを埋め込んだり,読み出したりする技術。PC,デジタル複写機,プリンタといったOA機器に搭載し,著作権の保護,不正コピー・情報改ざんの防止に利用できる。

 また,同社が開発した乱数発生装置(On-Chip Digital Randomizer)のアーキテクチャは,すでに製品化されている乱数発生装置よりも約50分の1のサイズで,消費電も80分の1に抑えられている。そのため,ICカードのほか携帯電話など低消費電力が求められる小型電子機器にも応用可能だという。

 「ICカードの情報データ送受信の時,伝送メッセージは公開鍵暗号システムでやりとりされるが,。この暗号は乱数をもとにして作られるため,乱数の強度が暗号の強度,すなわちセキュリティの強度につながる。Bluetoothアダプタにも応用可能だ。」(同社)

 CD/DVD Lockは,同社が開発した暗号化マークをCDやDVDなどの光記憶媒体に埋め込む。これによって「データの読み込みや追記録可能なディスクでも,各ビットを忠実にコピーすることや他メディアへの複写ができなくなる」(同社)。

 そのほか,磁性体固有のパターンを認識することで独自の暗号鍵を作り出す「磁気指紋(Magnetic-Dual Numeric Authentication)」は,クレジットカードやプリペイドカードのセキュリティを高める技術だ。

 「これらのセキュリティ技術を相互に組み合わせることで,より強固なセキュリティ機能が実現できる」(同社)。

 同社は,このようなセキュリティの要素技術を提供するライセンスビジネスを展開していく。「最終製品の製造や販売には手を出さない。在庫をもたないことでリスクを軽減する。すでに大手2社とのライセンス契約の話が進んでいる」(同社)という。

 ちなみに同社の福島正也社長は,1983年のアップルジャパン設立時に初代社長を務めていた。

[西坂真人, ITmedia]

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