News 2001年9月27日 11:50 PM 更新

ユーザーの“支持率”を指標化するネットレイティングスの新サービス

インターネット視聴率調査サービスの「Nielsen//NetRatings」が,Webサイト評価の指標としてユーザーの「支持率」を計測する新しいサービスを導入。顧客企業に対し,より実践的なマーケティングデータを提供するのが狙いだ。

 インターネット視聴率調査サービス「Nielsen//NetRatings」を提供するネットレイティングスは今月,アクセスユーザーの行動に基づいたマーケティング情報を提供する新サービス「E-Commerce Strategies」(ECS )をリリースした。

 Nielsen//NetRatingsは現在,「AMS」(Audience Measurement Service」と呼ばれるインターネット利用者動向情報サービスを提供している。AMSは,ネット視聴率やネット広告の効果を測定するのが主な役割だが,ECSは,アクセスして来たユーザーが“そのサイトをどれだけ気に入っているか”ということを指標化するものだ。

 具体的には,「サイトビレッジレート/サイト訪問率」(SVR),ならびに「リテンションレート/再訪問率」(RR)などの指標でユーザーのロイヤルティを数値化する。

 SVRは,調査対象のユーザーが1カ月間にインターネットを利用した日数のうち,当該サイトを訪れた日数を割合で示す。例えば1カ月で10日間インターネットを利用したユーザーが,8日間当該サイトを訪れたとすれば,SVRは80%ということになる(訪問した回数ではなく,日数で測る。サイトのSVRは各ユーザーの平均値で示される)。

 また,RRは,2カ月間連続で当該サイトを利用しているユーザーの数を測るもの。計測月の前月に当該サイトを訪れたユーザーが,計測月に再訪問した割合を示す。計測月前月に100ユーザーのアクセスがあったサイトで,計測月に20人が再訪問した場合,RRは20%ということになる。

 さらにECSでは,アクセス回数ごとのユーザー数や分布状況,ならびに調査対象サイトにアクセスしてきたユーザーを,滞留時間ごとに分類することも可能だ。

リーチ1%以下のサイトが多数ランクイン

 実際に,Nielsen//NetRatingsが公表している7月のSVR/RRのデータを見ると,AMSとは顔ぶれがだいぶ異なる。

 例えば,SVRでは,

ランク ウェブサイト サイト訪問率(%) リーチ(%)
1 women.benesse.ne.jp 59.24 0.53
2 yahoo.co.jp 56.24 67.74
3 benesse.ne.jp 53.69 0.79
4 menu.infoweb.ne.jp 53.10 0.60
5 www.dion.ne.jp 48.27 6.18
6 www.yahoo.co.jp 47.66 59.53
7 www.msn.co.jp 42.14 21.43
8 user.auctions.yahoo.co.jp 41.81 9.28
9 friends.excite.co.jp 41.68 1.82
10 my.lycos.co.jp 40.02 0.86

 となっている。インターネット視聴率では,Yahoo! Japanが圧倒的な強さを見せているが,SSRで計測するとwomen.benesse.ne.jpがトップに。さらにbenesse.co.jpも3位にランクインするなど,「ユーザーロイヤルティの獲得に成功している良い例」(ネットレイティングス)と言える。

 またRRのランキングは,

ランク ウェブサイト 再訪問率(%) リーチ(%)
1 a.fukubiki.com 92.73 1.59
2 ff10fan.com 90.00 0.83
3 www.macromill.com 82.35 0.67
4 www.info-cash.com 82.00 0.76
5 info-cash.com 80.39 0.78
6 vbc.trendmicro.co.jp 78.69 0.96
7 lw12fd.law12.hotmail.msn.com 78.16 1.0
8 winmx.com 77.27 0.53
9 www.winmx.com 77.27 0.53
10 yahoo.co.jp 77.24 67.74

 となる。fukubiki.comやinfo-cash.comといった懸賞関連のサイトが目立つ。またSVR同様,リーチが1%未満のサイトが多数ランクインしている。なお,SVR,RRともにトップ10にランクインしたのは,yahoo.co.jpのみだった。

 ネットレイティングスでは,こうしたデータを基に,サイト運営者に対してレポートを提出する。「ECSは,サイトにアクセスしてきたユーザーの“ロイヤルティ”を指標化するもの。ウェブ戦略の見直しなどにも有効なデータになるはず。今後は,ECサイトで実際に買い物をした人の比率などの新指標も追加していく予定だ」(ネットレイティングス)。

関連リンク
▼ ネットレイティングス

[中村琢磨, ITmedia]

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