News 2001年10月5日 09:07 PM 更新

見逃していませんか?――CEATECの隠れた一品,ユニークな技術(2)

 こちらはIowa Thin Film Technologiesという会社の「フレキシブル・アモルファス・シリコン光電池」技術を使ったもので,携帯電話への急速充電や本体2次電池への充電ができる。その2号機の仕様では,単4NiCd 250mAhの充電で,充電時間は12時間だという(重量85グラム)。

加賀コンポーネントのクリーンソーラーチャージャー「Sun Power」

 TDKブースではこの他,PC Expoに引き続きIEEE802.11a準拠の5GHz無線LANカードが展示され,動画デモを行っていた。

5GHzの無線LANカード

5GHzとBluetooth

 産業ステージの各社も,CEATEC全般と同じように,今回の展示のメインテーマをモバイルとブロードバンドに据えていた。このうちブロードバンドで新しい傾向だったのは,一斉にIEEE802.11a/5GHzの無線LAN関連のものが出されたことだ。

 とはいっても,対応のMMICや高周波リレーなどの電子部品が大半で,とてもそのひとつひとつを紹介しきれたものではない。しかし各社が力を入れていることだけは伝わってきた。企業系ネットワークでは無線LANが急速に普及しているが,「.11b」では速度面をはじめ,何かと問題があることも確か。こうなると,思ったより早く「.11a」への移行があるかもしれない。

 一方,意外だったのは,Bluetoothの健在ぶりだ。セット品(最終製品)メーカーの開発者と話していると,大方はBluetoothの普及に懐疑的で,一時の熱狂はすでに醒めている。ところが,部品メーカーでは着実に部品や製品の開発を進めているようで,関連した電子部品の展示やデモは,無線LANなどに負けないほどだった。

TDKのBluetooth関連製品の展示

 そんな中で見つけたのが,これ。ごく小さなアダプタをUSBコネクタに差すことで,そのデバイスをBluetooth対応機器にさせられるという,ミツミ電機の優れもの(?)だ。

ミツミ電機のBluetoothのUSBアダプタ

 このアダプタ,型番を「WIF-0402C」といい,中には超小型Bluetoothモジュールが入っている。BluetoothはVer.1.1準拠だ。OEM先との話を進めている最中ということで詳しくは教えてもらえなかったが,エンドユーザー価格は1万円の大台に乗せるかどうか,というところらしい。PCカードタイプよりは,かなり安いわけだ。

 もちろんUSBのバスパワーを使うから,外部電源等は不要。消費電流は80mAだという。発売時期も未定だそうだが,口ぶりでは来年春あたりになりそうということだった。アキバあたりで「お土産」に買うのに向きそうなシロモノだ。

 同ブースでもう1つ見つけたのが,腕時計型のワイヤレスリモコン。微弱電波を使っており,MDやCDプレーヤーを操作できるという。20kbpsの双方向通信で,腕時計側からは電源オン/オフはもちろん,ボリュームやモードなどの操作ができる。一方,腕時計の表示部には,曲タイトルなどを表示可能だ。イノベーションの匂いはしないが,リモコンをいつも探し回っている向きには便利な一品かもしれない。

同じくミツミに“新感覚”RF方式ワイヤレスリモコン

悲劇のデバイス?

 微弱電波モノではもうひとつ,ケンウッドブースに「BabyCube」というワイヤレスデータユニットがあった。これはPDC方式の携帯電話と,Handspringの「Visor」の間を微弱電波で接続,「Visor」からインターネット接続ができるようにするものだ。ユニットは携帯電話端末とVisor側の双方に付ける。携帯側はユニット内蔵の単5電池,Visor側はVisorの電源で駆動する。

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