News	2001年10月15日　11:24 PM 更新

Xboxに“くそゲー”はない？

多くのソフトメーカーから，支持を取り付けているXbox。この分だと，発売時にはなかなかのラインアップが期待できそうだが，一方，マイクロソフトブランドのタイトル（ファーストパーティタイトル）はどうなっているのだろうか？

　「東京ゲームショウ2001秋」の会場で，大きな注目を集めていた「Xbox」。プレイ可能な実機を148台も並べてユーザーを出迎えたほか，最終日には米MicrosoftのBill Gates会長が登場してXboxを盛大にアピールするなど，来場者もマイクロソフトのXboxにかける意気込みを肌で感じることができたはずだ。

　Xbox用タイトルについて考えてみると，「デッドオアアライブ3」や「エアフォースデルタII」といった大型タイトルがフィーチャーされる。実際，ブースでもこうしたタイトルの周辺には人が絶えない。では，Microsoft自身が提供するオリジナルタイトルの方はどうなっているのだろうか？　

　米Microsoftで，Xboxプロダクトマネージャ兼ディレクターを務めるPete Parsons氏に，ファーストパーティタイトルの戦略について話を聞いた。

XboxプロダクトマネージャのPete Parsons氏

ZDNN：会場で披露されたファーストパーティタイトルのほとんどが，米国向けに開発されたものでしたが

Parsons：そうですね。米国では，Xbox発売時に6つのタイトルがMicrosoftブランドとして発売される予定で，開発も順調に行われています。もちろん，日本市場向けに専用タイトルも開発しています。「ねずみくす」（ねずみの縄張り争いゲーム）は，国内で開発したものです。日本でブレイクしたゲームは，北米や欧州でもヒットするので，力も入ります

ZDNN：国内向けには今後，どのようなゲームを開発していくつもりですか？

Parsons：国内では，宮田敏幸氏（Xbox事業部製作統括部長）を中心に100名程度のメンバーが開発に取り組んでます。ただ，内容については，まだ話せる段階ではありません。私が聞いた限りでは，非常に画期的なものばかりです

ZDNN：国内開発チームには何を期待しますか？

Parsons：日本の開発メンバーに対しては，こんなゲームを作れとか，こんなゲームは作ってはいけないといったような縛りは設けていません。彼らの想像力に任せています。プレイステーション2では「蚊」になるゲームがありますが，そういった趣のものもありです

ZDNN：日本では，“ギャルゲー”の人気が高いのですが

Parsons：そのことは知っています（笑）

ZDNN：Xboxタイトルの制作期間や製作費はどれくらいになるのですか？

Parsons：ファーストパーティタイトルに限って言えば，平均2年くらいです。制作費のほうは公開していません

ゲームはアート

ZDNN：任天堂の場合，「マリオ」シリーズなど，ファーストパーティタイトルが重要な役割を果たしています。Xboxにとって，ファーストパーティタイトルとは？

Parsons：ファーストパーティのタイトルがサードパーティのタイトルよりも重要だということはありません。実際に，世界中で多くのクリエイターがXboxタイトルの開発を行っています。Xboxは開かれたプラットフォームなのです。サードパーティから，数多くのタイトルが登場するでしょう。

ZDNN：そうするといわゆる「くそゲー」が大量発生する危険性もありますよね？

Parsons：くそゲー？（Parsons氏がくそゲーの意味を知らなかったため，ここで通訳の説明が入る。意味を知ったParsons氏は大喜びで，「くそゲー」と日本語で連呼していた……）

ZDNN：改めて，いかがでしょう（笑）

Parsons：Xboxは，史上最強のゲームコンソールです。そして，マイクロソフトはクリエイターに非常に扱いやすい開発環境を提供しています。くそゲーと呼ばれるようなタイトルは出てこないでしょう。でも，つまらないゲームがあったとしても，ゲーム開発はアートのようなものだから，仕方ないと思ってほしいです（笑）。もちろん，Micorosftがサードパーティタイトルのクオリティを管理するようなことはありません。

　インタビュー終了後，Parsons氏と雑談していると，実は，ガンダムマニアであることが発覚。「アニメを全巻持っている。あと，宇宙戦艦ヤマトも好きだ。こちらも全巻持っている」（Parsons氏）とのこと。さらに，日本滞在中は新宿に出かけ，アーケードゲームを体験しているという。

　自身もシューティングアドベンチャーの「HALO」（“ハロ”ではなく“ヘイロー”と読む）の開発に深く関わっているだけに，ゲーム市場の動向について研究熱心なParsons氏。日本のアニメやゲームを愛していることがよく伝わってきたのだが，同席した通訳の女性に「日本ではあなたのような人のことを“オタク”というのよ」と突っ込まれていた……。

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