News 2001年10月31日 11:55 PM 更新

40型液晶やPDP,有機ELなどFPDが一堂に――LCD/PDP International 2001(1)

パシフィコ横浜で31日からフラットパネルディスプレイ関連の展示会「LCD/PDP International 2001」が始まった。会場では大画面LCDやプラズマディスプレイなど,薄型TV向けFPDに特に注目が集まっていた。

 パシフィコ横浜で31日から開催したフラットパネルディスプレイ(FPD)関連の展示会「LCD/PDP International 2001」。初日から多くの来場者で賑わっているが,特に大画面LCDやプラズマディスプレイなど薄型TV向けFPDに注目が集まっている。


初日から多くの人で賑わう「LCD/PDP International 2001」

 大画面薄型TVの座をめぐっては,プラズマと液晶がしのぎを削っている。すでに32〜50型クラスの量産体制に入っているプラズマに比べ,液晶はこれまで大画面では後塵を拝していた。

 そんな中,液晶パネル/モニタでトップシェアを誇るサムスン電子のブースでは,40型のTFT液晶ディスプレイを出展し,来場者を多く集めていた。


来場者の注目を集めた40型TFT液晶ディスプレイ

 液晶ディスプレイは応答速度が20〜30ミリ秒台が主流だが,動画を快適に見るためには15ミリ秒以下が必要とされ,それが課題となっていた。今回出展された同社の40型は,12ミリ秒のレスポンスタイムをうたい,TV用途に対応できる点をアピール。視野角は上下・左右ともに170度と広く,最大輝度は500カンデラと明るさも十分あり,大画面薄型TVの本命として話題を集めていた。来年7月頃に製品化する予定という。価格は未定だが,業界関係者の話では数百万円はするということで,庶民にはまだ高嶺の花となりそうだ。

 大画面液晶では,30V型の製品をすでに発売しているシャープ。ブースでは,熱心に説明を聞く来場者の姿が目立った。同社でも「40型までは液晶で」という方針を打ち出しているが,今回は製品版のAQUOSシリーズを展示するにとどまっていた。

 同社ブースで注目を集めていたのは,CGシリコンTFT液晶をベースとした「システム液晶」の製品群。先日のCEATECでも,この新技術が来場者の目を引いていた(10月3日の記事参照)。

 7型のモジュールを2枚使った電子ブックやペンダント型液晶などシステム液晶の応用製品を展示しているが,中でも目を引いていたのはVGA画面の一部を拡大/縮小するデモ。CPUなどを介さずにモジュール側で行っている点が特徴だ。モジュール内にドライバやメモリなどを一体化しているシステム液晶のメリットを生かした機能の1つで,処理能力に制限があるモバイル機器向けのシステムといえる。


VGA画面の一部を拡大したところ。モジュール側で行うため,CPUの負担を軽減できる

 動画中心となるTV用途には,応答速度が最大のポイントということで,液晶ディスプレイを展示する各社ブースではそのあたりの技術紹介がメインとなっていた。

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