News 2001年12月11日 11:41 PM 更新

イーベイ,「ユキコ」はアリでも「黒王」はナシ?

コレクターアイテムが人気のイーベイジャパン。ワールドワイドのネットオークション市場では圧倒的な勢力を誇る同社だが,願っても手に入らないものがあるとか?

 2001年は,インターネットオークションが市民権を得た年だった──イーベイジャパンのマーケティングを担当する塩原努氏は,そう振り返る。実際,有料化に踏み切っても,「Yahoo! オークション」の人気にかげりが見えないように,ネットオークションは電子商取引分野で成功している数少ないサービスである。

 コレクターズアイテムが人気のイーベイジャパンだが,今年は,米Gatewayの日本撤退に伴い,牛柄(カウスポット)模様のオリジナルグッズを放出する「ゲートウェイオークション」を企画するなど,企業が出品する「B2Cオークション」にも力を入れてきた。

 塩原氏によれば,牛柄の巨大バルーン「ユキコ」は,8万円ぐらいで2頭(?)が落札され,ゲートウェイのキャンペーンガールが身につけていた同じく牛柄ワンピースは,2万5000円で落札されたという。「なかなかの成功だった」(同氏)。

 また,日本アイ・ビー・エム(IBM)の協力で提供している「IBM公認オークション」では,今はなき「Think Pad i Series」が格安で出品されていたりする。

 いずれも,ネットオークションを利用した「在庫一掃セール」のような雰囲気もするが,塩原氏は「企業にとってネットオークションは新しい流通チャネルになりつつある。来年も,どんどん面白い企画を考えていきたい」と話す。

安全すぎて……

 ネットオークションでは,トラブルが相次ぎ,安全性が非常に注目された時期があった。Yahoo! オークションの有料化も,利用者を特定するという意味が含まれている。イーベイではエスクローサービスを特に拡充することはしていないが,安全な取引を約束するために,500人規模のサポート人員を,米ソルトレークに配置している。

 自作自演で値段をつり上げる“サクラ”を使っている出品者を見つけたり,怪しげな出品をしているユーザーには,直接,サポートセンターから電話が行く仕組みになっており,塩原氏は,「トラブルを未然に防ぐ努力をしている」と話す。

 ただ,安全性に力を入れるばかりに,多少,融通が利かない面もあるという。

 「どこかのネットオークションで,“北斗の拳”に登場するラオウの馬(黒王)が出品されていたが,イーベイでやったら,すぐにサポートセンターから電話がかかってきますよ。“その馬は本物なのか”と(笑)」。

 「そういう出品で話題になるのも,ちょっとうらやましい」(塩原氏)と本音もチラリ。

 なお,編集部で確認したところ,黒王が出品されているのは,この手の出品では他を圧倒するYahoo! オークション。正しくは,黒王ではなく黒王のクローンだという。説明書きによれば,「自分が乗れなかったので,セリに出します。おまけでジャギが着用していた鉄仮面をつけます」だとか。現在の価格は,450億1000円。

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[中村琢磨, ITmedia]

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