News 2001年12月13日 08:09 PM 更新

米MSのBelluzzo社長が初来日

米同時多発テロの影響で「WORLD PC EXPO 2001」の基調講演をキャンセルした米MSのRick Belluzzo氏が初来日を果たした。専門であるコンシューマビジネスだけでなく,全社的なビジョンを語った,

 米Microsftの社長兼COO(最高業責任者)であるRick Belluzzo氏の来日記者会見が,12月13日に行われた。Belluzzo氏の来日は,今年2月の社長就任以来,初めてのこと(本来は,9月に「WORLD PC EXPO 2001」で基調講演を行う予定だった,米同時多発テロの影響でキャンセルされた)。

 XboxやMSNなど,Microsoftのコンシューマービジネスを統括するBelluzzo氏だが,会見では,そういった枠にとらわれず,Microsoftの全体的なビジョンについて説明を行った。

 Bulluzzo氏は,Microsoftの事業ドメインを,「PC」「サーバビジネス」「コンシューマープロダクト」「デベロッパーミッション」の4つにまとめる。

 まず,PCビジネスについては,「再活性化を図る」(同氏)ことが重要なミッション。「Windows XP」や「Office XP」をその第1歩と位置付け,「信頼性があり,革新的な製品を開発していく」と述べた。


初来日を果たしたRick Belluzzo社長兼COO

 「Microsoftは過去25年間,PCの成功に依存してきた。PC以外にもビジネスチャンスを見出してしるが,やはりPCが重要位置にあることは変わりない。Tablet PCのような技術革新にもチャンスがある」(Bulluzzo氏)。

 Bulluzzo氏が,「成長率も高く,PCの次に期待している」というエンタープライズ市場向けのサーバビジネスについては,「厳しい評価を頂いている」「顧客の満足度を向上させるために,努力を続けている」という現状のためか,ややトーンダウンする。

 また,米Sun Microsystems率いるLiberty Allianceとの対立について記者から質問を受けると,「Liberty Allianceについては,まだ評価している段階。今は,Passportをプロモーションしていくだけ」と積極的なコメントは避けた。

 ただ,Bulluzzo氏の専門分野であるコンシューマープロダクトについては,「今後10年は,コンシューマーにとってエキサイティングな時代になる」と一転,強気な姿勢に。

 コンシューマープロダクトには,Xboxやモバイルデバイス,セットトップボックス,ならびにMSNのようなサービスが含まれる。また,Windows XPには,一般電話への音声通話機能が搭載されており,「リアルタイムコミュニケーションを実現する重要な製品。まだ,初期の段階だが,通信会社とのパートナーシップにより,新しいサービスが構築できる」(同氏)とアピール。

 また,ブルームバーグによる「Xboxの国内発売延期」報道については,「欧州と日本のスケジュールに混乱があった。私の責任」と弁明。「2002年2月22日発売に変更はない」と断言した。

 「Xboxは,Microsoftの長期的戦略に基づいている。各種オンラインサービスにとって,Xboxは重要なプラットフォームであり,他のゲームプコンソールとの差別化も可能だ」(同氏)。

 そして,デベロッパーミッションとは,「.NETサービスのビジョンを強化し,新しいアプリケーションをユーザーに提供していくこと」である。

 Bulluzzo氏は,PC,サーバビジネス,コンシューマープロダクトス,ならびにデベロッパーミッションという4つの事業について,プライオリティに違いはあるものの,「どれ1つとして欠かすことのできないビジネスである」と締めくくった。

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[中村琢磨, ITmedia]

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