News 2002年1月24日 10:21 PM 更新

日本全国インターネット事情──ブロードバンド先進地域は大阪府

昨年は,ブロードバンド元年と言われた。だが,全国都道府県のネット事情を見てみると,まだまだ格差が大きいことが分かる。

 インターネット視聴率調査サービス「Nielsen//NetRatings」を提供するネットレイティングスが,1月30日に開始する「Internet Media Strategies」(IMS)サービス。これは,日本全国都道府県別のインターネット事情(ブロードバンド普及率やネット利用動向など)を示すモノだ。あなたの町の“ネット度”は一体どのくらい?

大阪府が3部門制覇

 まず,都道府県別のブロードバンド普及状況だ(IMSでは128Kbps以上で常時接続環境をブロードバンドと定義している)。このデータでは,都道府県内でのブロードバンドユーザーのシェアが分かる。この比率が大きければ大きいほど“ブロードバンド先進地域”だと言うことができる。

 全国トップは大阪府。ブロードバンドユーザーの比率は35.9%だ。内訳を見ると,CATVインターネットユーザーの比率が16.76%というのも,全国ナンバーワン。さらに,FTTHユーザーの割合も0.8%で全国1位だ(なお,FTTHユーザーがいるのは大阪府と東京都のみ。東京都は0.35%)。まさにブロードバンド先進地域の名に相応しい3部門制覇である。

 2番手は三重県。さらに長野県,東京都,富山県と続く。富山県は,CATVインターネットの実証実験が頻繁に行われいていることもあり,CATVインターネット利用者は12.9%で全国2位にランクインした。また,xDSL普及状況では,上位5位に山形県(2位:11.36%),福井県(4位:9.59%)がランクイン。地方のブロードバンド化も着実に進んでいるということか。

 ただ,岩手県,福島県,石川県,島根県,大分県,ならびに鹿児島県は,「データなし」という“ブロードバンド不毛の地”に認定(?)されてしまった(ネットレイティングスでは調査の有意性を保つために,サンプル数が20に満たない場合はデータの“足切り”を行っている)。

 ちなみに,石川県はダイヤルアップ利用者が全国トップ(50%)。また,ISDN利用者が最も多いのは徳島県。全国的に見るとISDN利用者はまだ多く,50%以上のシェアを占める県も少なくないが,60%以上のシェアを記録したのは徳島県のみ。また,徳島県のブロードバンドユーザーシェアは6.98%である。

 ところが。意外にも,最も“インターネット大好き”な県のランキングでは,ブッちぎりで大分県が選ばれた。都道府県別のインターネット利用平均時間を見ると,大分県は16時間9分39秒で全国平均の9時間4分25秒を大きく上回っている。ネットレイティングスでは「ブロードバンドユーザーはナローバンドユーザーに比べて,ネット利用時間・閲覧Webページ数ともに多い」と説明するが(別記事参照),大分県は特例ということだろうか。

 また,青森県(14時間20分49秒)や北海道(12時間41分12秒)など,北国のネット利用時間が多いのが特徴。この点について,北海道で3年間の勤務経験があるZDNetのK記者は「12月に調査したのだから当たり前」と分析する(この調査結果は,2001年12月度のもの)。なるほど,もっともな意見である。

関連記事
▼ 日本と韓国の違いはインフラだけ?〜Nielsen//NetRatings調査

関連リンク
▼ ネットレイティングス

[中村琢磨, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.