News:っぽいかもしれない 2002年1月23日 10:06 PM 更新

っぽいかもしれない:「介護用パワーアシストスーツ」を見てきた(4)

 この風船は実は血圧計の部品を流用している。また,そこからホースでつながっている白いフィルムケースみたいなのが空気を送り込むコンプレッサー。黄色いバンドでかくれた部分にモータがある。これも血圧計の部品。制作費 (研究費) を抑えるための努力だ。

 でも,やはり専用でないパーツには限界があって,出せるパワーが大きくない (体重制限はこのため) 。改良するためには,ここをつくりなおすことになるようだ。同時に膝を強く折り曲げられるようにもなるだろう。

山本:でもね,ただパワーをあげちゃうと,ちょっと力を入れたら抱き上げている人を投げ飛ばしちゃったなんてことになる。そうならないようにしないと。

 こっちは肘。膝もそうだったんだけど,関節は,2 つの回転軸をもった構造になっている。

山本:これは義手を使っているんです。ここの回転軸が1つだけだと,こう伸ばしたときと,曲げたときとで, (手首から肘をサポートする板を指して) ここがずれちゃう。

 背中は後からひっぱる形だ。

山本:人間の身体も,背骨の後に筋肉があってものすごい力でひっぱっている。他の筋肉はそんなに無理はしていないのに,背中だけはものすごい無理をしている。だから腰痛がおきちゃう。

ヘイワード:わたし腰痛持ちなんですけど,これをつけたら楽になりますか。

山本:いいんじゃないですか。そのときは,全部一度につけないで,膝だけとか腰だけとか,バラバラでも大丈夫。

「介護用 パワーアシストスーツ」のこれから

こばやし:これからは,どういう点を改良していくことになるんでしょう。

山本:まず,さきほどの「低い姿勢をとれるように」ということ。日本の場合,畳の上に布団を敷いて寝ている男性を持ち上げられるようにしないと。

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